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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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March 11, 2006
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カテゴリ:楽しむは音
本日未明にBS-2で放送された「ベルリン・フィル ピクニックコンサート2005」を録画で見ました。
曲目は、
1.序曲「ローマの謝肉祭」作品9:ベルリオーズ
2.牧神の午後への前奏曲:ドビュッシー
3.交響詩「魔法使いの弟子」:デュカス
4.2台のピアノと管弦楽のための協奏曲:プーランク
5.組曲「動物の謝肉祭」:サン・サーンス
6.ボレロ:ラヴェル
以上、今年は、オールフランスものによるプログラム。指揮はもちろん、サイモン・ラトルでございます。
ベルリン郊外にある「ワルトビューネ野外音楽堂」。何万人も収容できる森の中の音楽広場で毎年夏に催され、わたくしも楽しみにしている恒例のコンサート。毎回、必ず豪華なソリストをゲストに迎えていて、2004年にはピアニストのラン・ランが、2003年にはヴァイオリニストのヴァディム・レーピンが出演しました。2005年のソリストは、なんとあの美しいラヴェック姉妹。楽しみでございます。

「ローマの謝肉祭」は、ご存知の方も多いと思いますが、現在「N響アワー」のテーマ曲。冒頭の部分は毎週聴くことができますが、全曲通して聴いたのは初めてでございました。ベルリオーズ独特の、後半、オーケストラをフルに使った(休んでいるパートがない)華やかさいっぱいの曲で、コンサートの始まりにふさわしい選曲でした。
「牧神の午後への前奏曲」、前曲とは打って変わってのゆったりしたテンポで、エマニュエル・パユ(いつ見ても麗しい!)の奏でるしっとりとはかなげなフルートの旋律に導かれて次第にオケが重なってゆくさまは、夢を見ているみたいに美しく聞こえてきて、ドビュッシー好きのわたくしにはうれしいプログラムでした。

さて、楽しみにしていたラヴェック姉妹。艶やかに登場するや、ステージの雰囲気をガラッと変えてしまうさすがの貫禄、さすがの美しさ。
そして、「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」は、圧倒的!
プーランクは、20世紀のフランスを代表する前衛的な作曲家ですが、わたくしも大好きな「8つの夜想曲」のような叙情的な作品も書いています。
ですが、このコンチェルトはすごい!初めて聴く者の心をこれでもかというほどに揺さぶります。オケもラトルも負けていません。熱いやりとりが続きます。数万の聴衆も、このホットなコンチェルトに敏感に反応。各楽章ごとに拍手が沸き起こりました。うーん、素晴らしい!

時折映る客席の光景は、素敵な表情をした人々の顔、顔。老若男女問わず、皆さん満ち足りたいい表情で、心からこの時間を楽しんでいる様子。芝生の上に座ったり寝そべったり思い思いの格好で音楽を享受しています。
恋人達は手を取り合ってささやき合い、そうかと思うとパパに肩車されたかわいらしい女の子もちゃんと拍手していたり・・。夕刻から始まったコンサートは、時間が経つにつれ、夜の帳が下りてきます。すると、その場で小さなろうそくを灯して手に持つ人、そして驚くことに花火をしている人もたくさん。これはどうやら会場で売られていたか配られたもののようですね。楽しそう。

続く「動物の謝肉祭」では、「ピアニスト」が面白かったです。確か、懸命に練習をしている象のピアニストを皮肉った曲だったと思うのですが、ラヴェック姉妹は、デュオの強みで、フレーズごとに交代あるいはふたりで少しずつずらすという、今まで聴いたことがないようなウィットに富む「ため」を含んだ演奏を披露してくれました。「白鳥」も、珍しく透明な音色を出すチェロ(首席奏者)がソロを務めたのが印象に残りました。
全14曲が終わり、万雷の拍手で送られるラヴェック姉妹、花束を客席に投げ、会場は最高潮に達しました。
プログラム最後の「ボレロ」もよかった!(パユのソロも)。ただ、テンポがゆっくりで、169回のメロディの繰り返しがいつになく単調に聞こえてしまいました。いつもなら、ヴァイオリンパートの演奏がピッツィカートから弓に替わる頃を今か今かと待ち受けるのに、この「ボレロ」はそこまで気持ちが高ぶらなかったのが正直なところ。なぜか、銅鑼の響きももうひとつでした。いわば「いい子ちゃん」の「ボレロ」でしたね。
他の「ボレロ」に慣れきっているせいでしょうか・・。
いいえ、これがラトルの「ボレロ」なのでしょう。先入観を捨てることも、クラシックを聴く上では大切な心がけ。忘れないようにしなければ・・。
アンコールも数曲ございました。最後の恒例「ベルリンの風」が、聴衆と一体になった演奏で楽しかったです。
わたくしもいつかこの野外音楽堂でこのひとときを過ごしたい・・。そんな思いも新たにさせた、充実のピクニックコンサートでございました。





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Last updated  March 11, 2006 11:11:50 PM
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