会社からの帰宅時、またまたNHK-FMでよい演奏を聴きました。
サラ・チャンのショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番で、サイモン・ラトル指揮、ベルリン・
フィルとの演奏でございます。ラジオをつけた時は既に第1楽章の中間部で、途中、またまた
お買い物をしていて、車に戻ったら第3楽章になっていました。サラ・チャン、情熱的な演奏で
名を馳せる彼女。またひとつ円熟への階段を上がったようでございます。
実はこのCD、先日新聞の音楽評で紹介されたばかりで、興味を持っておりました。それを今日
聴くことができて、幸いでございました。
偶然にも、おととい、他の方のブログで、ニューヨーク・フィルとのヴェンゲーロフの同じ曲がダウン
ロードで聴けるとの情報を得て、第4楽章の冒頭部を聴いたばかりでございました。
ヴェンゲーロフのこの時の印象が強かったので、サラ・チャンはちょっと線が細く感じられてしまい
ましたが、聴き比べる対象が違いますね。いけない、いけない。
そんないきさつで、家に帰ってから、もう一度手持ちのCDで聴きたくて、選びに選んだのは、当時、
学生さんだった方の奏でるCD。2001年、第1回仙台国際音楽コンクールの、セミファイナルで
この曲を弾いた白井圭さんの演奏です。
このコンクールでは、演奏した曲が即日CDになって、会場で販売されるという画期的な試みが
あり、わたくしもつてを頼って手に入れた録音です。この演奏が秀逸!!これだけを聴いたら、
彼に1位をあげたいくらい!
(回想・・。彼は、同じ年の日本音楽コンクールでも第2位になった方で、わたくしは、東京文化
会館の最前列で、彼のブラームスに酔いました。第3楽章は、ご本人もノリノリでしたっけ。)
このショスタコーヴィチの1番。初めて聴く方には「えー・・」と首を傾げられるような近代前衛音楽
ですが、不思議なことに、わたくしは聴けば聴くほど好きになるのです。
第1楽章、管楽器の陰と深みのあるハーモニー。その中を漂うように、長いフレーズを静かに、
ミステリアスに保ち続ける独奏ヴァイオリン。
この第1楽章は、プロコフィエフの1番のそれに匹敵するほどわたくしの心を捉えて放さないので
ございます。
CDだけでは飽き足らなくなってきたわたくし、明日もう一度、今度は録画テープのストックの中
から、ヒラリー・ハーンが2001年にベルリン・フィルと来日した時のこの曲のビデオを見ることに
いたします!ビバ!ショスタコ三昧!そう、生誕100年を記念して。