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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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May 24, 2006
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カテゴリ:楽しむは音

NHK-FM、毎週日曜日の午後に放送されている「FMシンフォニーコンサート」の公開録音が、
茅野市民館マルチホールで行われました。事前の申し込みで入場券が当たり、1麻呂と
出かけました。
モーツァルト生誕250年記念&当ホール開館記念と銘打ち、オールモーツァルトプログラム
での演奏会でございます。

  演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
  指揮:飯守泰次郎
  フルート独奏:高木綾子
  曲目:
    歌劇「フィガロの結婚」序曲
    フルート協奏曲第1番ト長調 K.313
    ディヴェルティメントヘ長調 K.138
    交響曲第41番ハ長調  K.551「ジュピター」
いかがです?この豪華な顔ぶれ、豪華なプログラム。田舎で演奏するにはもったいないほどで
ございます。コンサートマスターは、三浦章宏さん。東京フィルで、わたくしがいちばん好きな
コンマスです。
「フィガロの結婚」序曲が始まりました。うっ、噂には聞いていたのですが、なんと音響の悪い
ホールでしょう。飯守さん、ごめんなさい。東フィルさん、ごめんなさい。高木さん、ごめんなさい。
・・こんな気持ちになりました。コンサート、演劇、会議、展示会など、「マルチ」に使えることが
ウリのホールらしいのですが、これではもうどこのオケも来てくれないかも・・。

「フルート協奏曲」、高木綾子さんは、玉虫がかった薄いパープルのドレスで登場。
第1楽章。ああ、やっぱり。音が飛んできません。せっかく素晴らしい、極上のコンチェルトなのに。
1楽章のカデンツァ。静寂、そして間の取り方がうまいヴィルトゥオーゾ的な技巧で、フルートを演奏
しているというよりは、オペラのアリアを歌っているような素晴らしい演奏!!
第2楽章では夢見心地に気持ちよく酔わせてくれ、すぐ前のおじ様は、「夢見心地」どころか、
実際にすっかり舟を漕いでいます。
第3楽章の最後のカデンツァも鮮やかに決め、静かに落ち着くように曲が終わりました。
この曲は終わり方がおとなしいので、皆さん拍手をするタイミングがとれなかった様子。
高木さんご本人はどう思われたでしょうか・・。

「ディヴェルティメントト長調」、弦楽器パートだけの曲。Vn8-8、Vl6、Vc4、Cb3という構成。
三浦さんの熱いリードで、喜びに溢れる旋律が奏でられます。
第2楽章、複雑に絡み合う各パートのハーモニー。α波は、こういう時に出るのだと思いました。
でも、残念なのが、この曲でも弦の息遣いが伝わってこない音響の悪さ。
第3楽章、瑞々しい音の運び、これぞモーツァルト!ピツィカートが粋な味つけで、是非カルテット
でも聴いてみたいと思うほど。

「交響曲第41番」、本日いちばんの華やかな聞きもので、飯守さんも生き生きと動いていらっ
しゃいます。管楽器は、Fg2、Hr1、Fl1、Tp2、Ob1、Cr1。少人数編成ですが、皆さん音が
豊かで、弦に負けていません。
第2楽章の美しい旋律は鳥肌が立つほど。モーツァルトはどうしてこんなに美しく哀しい音楽が
書けたのでしょう。途中、何度か現れる和音の画期的なこと!
第3楽章、勇ましいティンパニの響き。管の重なりゆくさまも良く、第4楽章への期待が高まります。
そして第4楽章。「ドーレーファーミー」の、有名なモティーフに彩られ、高く高く昇ってゆくオーケス
トラ。飯守さんも、「そんなに動いて大丈夫ですか?」とお聞きしたいほど熱のこもった指揮で、
笑顔で振りながらも気迫が伝わってきます。走る走るオケ。三浦さんもノリノリで大きく身体を揺ら
します。何度か繰り返される、半音ずつ降りてくる部分が特に素晴らしく、モーツァルト最後の
交響曲は、その背景に様々な憶測を呼びながらも、今日までこうして愛されていることに大いに
納得できる、完成度の高い交響曲なのだと改めて思わずにいられませんでした。
曲は最高潮に達したまま、フィナーレ!ブラボーも飛び、今日いちばんの大きな拍手!飯守さんも
満面の笑顔でございます。管楽器の各パートにも盛んな拍手が送られました。

熱気のカーテンコールのあと、再び登場した飯守さんが三浦さんに、「準備はいいかい?」といった
意味のことを身振りと言葉でお聞きになった後、アンコールになりました。アンコールもモーツァルト。
有名な「メヌエット」ですが、詳しいケッヘル番号などはわかりません。確か弦楽のための曲の中の
楽章のひとつ。ここでまた、聴かせどころが。
弦の各パートの首席奏者だけが弾く場面があり、三浦さんのカデンツァが聴けたのです。
飯守さんのゼスチュアは、このことの確認だったのですね。
さすがの演奏!演奏後はやはりブラボーが飛び、大きな拍手が送られました。三浦さんご自身は
なぜか下を向き、少し沈みがち?ご自分ではうまくいかないところがあったのでしょうか。
やんやの拍手のうちにコンサートは終了いたしました。

田舎の聴衆は皆さんおとなしくて、最初はどうなることかと心配いたしましたが、皆さん音楽の
魔法に見事にかかり、最後は笑顔、笑顔の大団円でございました。
国内屈指のオーケストラと指揮者、ソリストの演奏を堪能し、幸せな気持ちで1麻呂と帰路に着き
ました。
FMをつけると、これまた偶然、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第2楽章が
流れてきて、わたくしにとっては大満足の「モーツァルトデー」になりました。
皆様も、どうぞ今日の演奏をFMの放送でお楽しみ下さい。
本放送:7月2日(日)午後2時~3時
     7月9日(日)午後2時~3時
再放送:7月3日(月)午前10時~11時
     7月10日(月)午前10時~11時
故山本直純さん作曲の華やかなテーマ曲の後、きっと作曲家の吉松隆さんが「皆さんこんにちは。
吉松隆です。今日のFMシンフォニーコンサートは・・」と、太くあたたかな声で迎えて下さること
でしょう。どうぞお楽しみに。






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Last updated  May 25, 2006 06:44:54 AM
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