NHK-FM「気ままにクラシック」を、久しぶりに聴きました。今年初めてかもしれません。
女性のパーソナリティもすずきあやこさん(字がわからなくてすみません)に替わられて
いたのですね。実家からの帰路の車中で、耳を傾けることができました。
番組の中ほどで、この、サティの曲へのリクエストがありました。サティの作品の中でも、
わたくしが特に好きなもののひとつでございます。
4月から、番組のエンディングテーマで流れていて、神谷郁代さんの演奏だとのこと。
エンディングでは途中でフェイドアウトするのでしょうけれど、今回はリクエストですから、
全曲をかけてくれるとのこと。これは聴かなくては。
わたくしの知り合いの音楽評論家Yさんは、神谷さんと懇意にされていて、以前にも
「神谷郁代(←呼び捨て)からねえ、『Yさん、演奏会に是非いらして』と誘いがあったから
行ってきたばかりだよ」と、楽しそうにお話しされていましたっけ。
「あなたがほしい」なんて、面と向かってはなかなか言えない言葉ですが、これを音楽に
してしまうのですから、サティの異端児的な作風も、ここでは一女性として、あえて拍手を
おくりたい気持ちになります。
神谷さんの「あなたがほしい」は、たっぷりとした歌心に満ちていて、骨太で包容力のある
男性を彷彿とさせます。こんな男性に「あなたがほしいのです」なんて言われたら、クラッと
きてしまいそうでございます。そんな妄想さえ抱いてしまう、あたたかい、懐の深い演奏でした。
少し前に、常連さんのブラームスがお好きさんもこの曲について書かれていましたが、
男性が聴いても「おお、がんばるんだゾ、兄弟」と応援したくなるのでは?
皆様はいかがでしょう。
助手席で気持ちよさそうにうとうとしている我が麻呂父にも聞いてみたいですわ。