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テーマ:好きなクラシック(2317)
カテゴリ:楽しむは音
少し前にFMから録音したエレーヌ・グリモーの「シューマン ピアノ協奏曲イ短調」。
どこかフランスの香り漂う、エレガントな演奏。 第1楽章、決して主張しすぎず、サロネンのタクトに呼吸を合わせて、オケと融合するが ごとく、静かに展開してゆきます。シューマンの特徴である内省的な部分をうまく音に 乗せて、ゆるゆると坂をのぼってゆくようです。中間部、クラリネットがクララへの愛を歌います。 第2楽章の冒頭、先日聴いたマリア・ジョアン・ピレシュの演奏は、ちょっとおどけた 小気味良い感じだったのに対し、グリモーは、しっとりとした音色で「女」を感じさせます。 短い楽章ですが、ピアニストによって個性が出る聴かせどころの楽章ですね。 第3楽章、次第に熱く熱く、ヒートアップしてゆくオケとグリモー。 クララへの情熱を楽章の全てに籠めたような愛で満ちています。 「彼のこの素晴らしいコンチェルトを、オーケストラと一緒に弾けるのは女王様になった ような気持ちです。」と自身の日記に書いたクララ。 グリモーも、クララの気持ちを理解しているかのように、この3楽章では音が立っています。 彼女も女王様になりました。 グリモー、昨年も来日しましたね。 この美しいピアニストの演奏会、一度訪れてみたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
August 12, 2006 06:27:24 PM
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