8月25日は、レナード・バーンスタインの誕生日。
奇しくも、NHK-FMのベスト・オブ・クラシックでシモーネ・ヤング指揮、ウィーン・フィルの
演奏で、「キャンディード」序曲が流れました。
女性指揮者の起用とは、ウィーン・フィルも画期的なことをするようになりました。
女性らしく、しなやかな演奏で、「これがウィーン・フィル?」と思ってしまったわたくし。
変拍子、変拍子の連続のこの曲を、鮮やかに振っている彼女の姿が目に浮かびます。
昨年の暮れには、マリス・ヤンソンスの代役でベル・フィルも振っている彼女。
シドニー生まれの才媛は、名実共に確かな地位を固めつつあるようです。
うーん、「キャンディード」序曲、もう少しスパイスが効いていてほしかった!
最後まで「しなやか」と「やわやわ」の中間を行き来するような曲運びになったのは否め
ませんでした。ウィーン・フィルのメンバーも、まさか彼女を小ばかにした演奏をしたわけ
ではないでしょうが、「ちょっといつもと違うかしら・・」という印象を抱いたのは、わたくし
だけではなかったはず。いかがでしょう・・。
バーンスタイン、ご存命の頃は全く気にかけずにいたことが、今更ながら悔やまれて
仕方ありません。「キャンディード」も、「ウエストサイド・ストーリー」も、和声の斬新さで
わたくしの心を虜にいたしました。
彼の振る曲のCDもいくつか持っておりますが、生で聴いておくべき指揮者でした。
彼が後進へと残したタングルウッド音楽祭、今年も盛況だった模様でございます・・。
これからも彼の遺志を引き継ぎ、平和な森で、人々の記憶に残る「暑く熱い夏の日」が
続いてゆくことを願っております。