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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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October 11, 2006
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カテゴリ:楽しむは音

今朝のHNK-FMで、第75回日本音楽コンクールヴァイオリン部門の最終予選の模様が
放送されました。毎年この催しを楽しみにしているヴァイオリン・フリークのわたくし、これを
聴かない手はございません。録音して、帰宅後、ゆっくり聴きました。
最終予選への通過者は10人。男性4人、女性6人でございます。
そして、最終予選の結果、本選には男性ふたり、女性ふたりが進むこととなりました。
最終予選の課題曲は、シューマン「ヴァイオリンソナタ第1番イ短調OP.105」、そして
ラヴェル「ツィガーヌ」。放送での演奏は抜粋でしたが、十人十色の音の世界を堪能させて
いただきました。
ここでは、本選に進んだ3人の方の演奏をご紹介いたします。

●藤江 扶紀さん(女性)・・大阪教育大学附属高等学校1年生
彼女のシューマンは、最初の一音からして違いました。ロマン派の真髄を余すところなく
伝える、文字通りロマンティックな演奏。まるでプロが弾いているよう。(すみません。
こんな陳腐な感想で。)一分の隙もないシューマンの世界です。
ただ、ひとつ欲しいのは個性かな。先生の言うとおりに弾いてきた印象は否めません。
個性。これはまだまだこれから十分養っていけることでしょう。

●鈴木 舞(女性)さん・・東京藝術大学附属音楽高等学校2年生
「ツィガーヌ」、ほかにラヴェルが放送された方の中でいちばん音程が正しく、音楽的にも
よくまとまっていました。何より「やりたいこと、言いたいこと」が、こちらに伝わってくるのが
好感が持てましたね。

●黒川 侑さん(男性)・・千里国際学園高等部2年生
大阪の、帰国子女が通う高校の2年生。
通勤時、車中でつけたラジオで、途中から聴いた彼のシューマンは、「上手い!」の
一言でした。「この子は本選にいくわね・・」と思いながら第3楽章の輝かしさに酔いながら
会社に着きました。帰宅後、録音を聴くと、演奏前に「黒川さんは、本選への出場が
決まっています」とコメントがあり、やっぱり・・と思いました。
わたくしの中では、彼が本命でございます。

もうおひとり、桐朋学園大学2年生の青木恵音さん(男性)が、本選出場が決まっています。
今回、ただひとりの大学生でございます。
・・が、残念ながらMDの録音時間オーバーで演奏は聴くことができませんでした。
10人中9人の演奏を聴いて感じたことですが、全体の印象としては、今年は少々
小粒揃いですね・・。
ここ数年、大器を予感させる逸材は、鍵冨弦太郎さんくらいでしょうか。

それはなぜか。酷な言い方かもしれませんが、それは、先見の明と才能のある方々は、
音コンを飛び越して、海外の優れた師匠の下につくのが最近の傾向だからなのです。
そのパイオニアともいえる五嶋みどりちゃんは、母の師匠であった方から、「みどり
ちゃんのような子は国内のコンクールの枠からはみ出しちゃう」と言われたのだそう。
同じ年の諏訪内晶子さんは、江藤俊哉さんに「一緒にチャイコフスキー・コンクールに
行きましょう」と言われて氏の下で地道に研鑽を積み、15歳で音コン優勝、そののち
史上最年少の18歳でチャイ・コンでの優勝を成し遂げましたが、音コン優勝者で
世界の主要コンクールをも制覇した人は、彼女を最後に、途絶えています。

テーマからは少し逸れてしまいますが、お話のついでに、音コンで力量を試すまでもなく、
海外で勉強したのち、世界の桧舞台で活躍している逸材をここでご紹介するといたしましょう。
(あくまでもわたくしが把握している範疇でございますが。)
独自の人脈で弟子を世に送り出す「ディレイ商法」とまで呼ばれたドロシー・ディレイ女史の
弟子、いうまでもなく五嶋みどりさん、そして佐藤俊介さん。
五嶋みどりさんは、コンクールの経験さえありません。
1996年、ロン=ティボー・コンで史上最年少で優勝した樫本大進さん。
1999年、史上最年少16歳でパガニーニ国際・コンで優勝した庄司紗矢香さん。
2002年、ロン=ティボー・コンで史上最年少16歳で優勝し、昨年のミュンヘン国際・コンでも
第2位になった山田晃子さん。
2002年、チャイ・コンで最高位を獲得した川久保賜紀さん。
2005年、ミュンヘン国際・コンで優勝した岡崎慶輔さん。

皆さん、それぞれに個性豊かな、才能溢れる方ばかり。
そろそろ音コン覇者から、世界へと羽ばたく学生さんが出てこないかしら・・・。
そんな思いで、今年の音コンの行方を見守るわたくしでございます。






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Last updated  October 11, 2006 10:06:14 PM
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