音コンに出かけた東京の友人から、興奮冷めやらぬ様子のメールが届きました。
ご本人の承諾が得られましたので、ここでご紹介させていただきます。
会場で、若い精鋭たちの演奏に触れたリアリティ溢れる感動の文章をどうぞ。
さすが16才位の方が3人で後は大学生一人。
一位はご存じかと思いますが、黒川侑くんでした。こんなメンコン初めて聞き、感動で2楽章で
泣いてしまいました。私の前の席の方も泣いてました。凄くストーリー性があって音楽を味わって
演奏してるんです。
何に驚いたかって2楽章の伸ばす音で賞を気にしてたら、きれいな音がでる早めのビブラートを
かけるんですが、彼は敢えて遅いビブラートで多少鈍くても深い音で曲のイメージを大切にした
処が、とても16才の演奏家とは思えませんでした。
決して派手な演奏ではないので放送では伝わりにくいかと思います。
迫力のある演奏もできるのに、しっとりとメンコンを歌って聴衆賞も取ってました。
音程だけ正確で無味乾燥の演奏が一位になる傾向が高いので黒川君が一位にならなかったら、
どうしようかと思いました。
演奏は白井圭君、見た目は五嶋龍君と長原幸太さんを足して2で割った感じで、話もきちんと
した方でしたよ。しっかり話して握手して来ちゃいました。
あまたの演奏家によって弾かれ続け、すっかり手垢にまみれたともいえるメンデルスゾーンの
コンチェルトの第2楽章で、聴衆を泣かせる演奏ができる黒川侑さん!
先日、最終予選の演奏をラジオで聴いたわたくしは「今年は粒が小さい」と、感じたそのままを
日記にも書いてしまいましたが、ラジオからは伝わらない空気感、会場の反応などを考慮する
ことを忘れていました。
聴衆賞も取れるほど、聴く者の心を惹き付けた黒川さん、ますますこれからが大切ですね。
演奏者として、そしてそれ以上に人間として、何をどう学んでゆくかで、この先の命運が
決まってゆきますね。
どうぞ、メディアなどに流されず、惑わされず、あらゆる意味で、よい学生生活を送られますように。
そして、いつの日か、プロの演奏家として、わたくし達を楽しませてくださいね。