所用のため、今日は会社を2時過ぎに早退し、帰りの車内でつけたFM。
ちょうどクラシックの番組が始まったところでございました。
既に曲名を紹介したあとだったらしく、演奏者の名前だけ聞き取れました。
「ヴァイオリン、バイバ・スクリデ、ピアノ、ラウマ・スクリデでどうぞ。」
まあ!バイバ・スクリデ!!彼女の名前には聞き覚えがあり、すぐに思い出しました。
懐かしい!!
なぜ懐かしいかについては、あとでお話しするとして・・。
演奏が始まると、それはシューベルトでした。
彼女のシューベルト、とてもやわらかな音色で、子供達が陽だまりで無邪気に遊びに興じている
ような印象の演奏でした。ピアノのラウマ・スクリデは、おそらく妹?
さすがは姉妹、呼吸がぴったりと合って、音が仲よく寄り添いながらの曲調は、なんとも微笑ましく、
ソナチネの持つ明るさと可愛らしさを、丁寧に引き出しています。
この曲を男性のデュオで聴いたら、このような印象は受けなかったことでしょう。
バイバのこの演奏は、ボウイングに合わせている彼女の息遣いまでも感じられる録音ですが、
そこには白熱する狂気のようなものは微塵もなく、聴いていて心地よく、あくまで楽しい語らいの
続くシューベルトでございました。
さて、懐かしい思い出についてお話しするといたしましょう。
彼女、バイバ・スクリデは、2001年、エリーザベト王妃国際コンクールで優勝したラトヴィア出身の
ヴァイオリニストでございます。
わたくしは、そのガラコンサートの模様をBS-2で録画しました。
ロリン・マゼール指揮、ベルギー国立管弦楽団との共演でございます。
3位のハンガリーの男性はブラームスのコンチェルト、2位のシンガポールの女性はベートー
ヴェンのコンチェルトを弾きました。そう、どちらも長丁場のコンチェルトでございます。
それに対して、トリを務めた彼女は、シンプルで短い(しかし難易度は高い)プロコフィエフの1番の
コンチェルトを弾きました。わたくしが、ブラームスの次に大好きな曲でございます。
嗚呼、あまり懐かしいので、今、ビデオを出してきて見始めたところでございます。
深いワインレッドの、背中が大きく開いたドレスに身を包み、ブロンドの髪をアップに結い上げて
マゼールと共に登場したスクリデ。
美しく華奢で、妖精のような容姿(横顔がまたきれい!)からは想像もつかない、なんとも勇ましい
プロコを弾き、観客を魅了しました。
初来日は、昨年だったか今年だったか・・。
いろいろ調べましたら、さすがは美貌のヴァイオリニスト、既に多くの日本人ファンを獲得している
ようでございますね。いくつかのブログでも紹介されていました。
美貌もヴァイオリンの腕も超一級、皆様、これからは彼女のお名前も是非ご記憶に留めてくださいね。
ちょうど去る15日(水)に、NHKハイビジョンで、9月の浜離宮朝日ホールでのリサイタルの模様が
放送されたようです。
同じものが、12月18日のBS-2「クラシック倶楽部」でも放送されますので、ご興味がある方は
ご覧になられてはいかがでしょうか。
バイバ姉妹の素晴らしい音楽と、美しさをご堪能くださいませ。
シューベルトはこちらのCDに収録されています。