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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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December 18, 2006
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カテゴリ:楽しむは音

ひょんなことから、急に身近に感じられるようになった、「オピッツおじさま」(誠に勝手ながら、
このように呼ばせていただきます)。
ドイツ古典音楽の神髄を余すところなく表現する彼の世界は、ベートーヴェンのみならず、この
ブラームスにおいても健在でございます。
コリン・デイビス指揮、バイエルン放送交響楽団との録音。

ブラームスが45歳の時に訪れたイタリアで曲想を思いつきながらも、一旦棚上げになったこの曲。
足かけ4年を経て1881年に完成をみました。
20代の頃に書き上げた、若さがほとばしるような第1番とは相対的な、ある意味での落ち着きと、
大人の深い深い情熱に満ちている味わいのある名曲ですね。
ようやくこの曲の良さがわかる歳になりました。
第1楽章。朗々と響き渡るホルンに応えるように控えめに入るソロ。
ヴァイオリン協奏曲の冒頭と同じような、牧歌的な情緒が感じられます。
それはまさにイタリアの明るさを映し出す鏡。なんと瑞々しいオーケストラとピアノ。
自由に、そして大胆に駆け巡るオピッツ氏の粒立ちのよい音!ダイナミックレンジが素晴らしい!
でも、随所に彼の誠実さが見えるところは、先日のN響とのシューマンと同じ。
演奏に人柄が如実に表れる、ますます好感度大の、愛すべきオピッツおじさまでございます!
こんな懐の深いおじさま、ご近所にいないかしら・・。
ああ、それにしてもなんて厚みのある弦のユニゾン!

第2楽章。情熱的なスケルツォ!何かに追い立てられるようにスコアは進みます。
ここは、めくるめく熱いオケとピアノの競演。
ブラームスがこの楽章にこめた気持ちが、125年経った今、わたくしの胸に迫ってきます。
嗚呼、みなまで言わなくてもあなたのお気持ち、わかるわ、ヨハネスさん!

第3楽章。もう会えない、懐かしい人を思い出しているかのような、チェロの美しい調べが、なんと
時間にして3分近く続きます。「これは確かピアノコンチェルトだったのでは・・?」と不安に思う頃に、
静かに、しかし重く始まるピアノ。
嗚呼、思い出とは、かくも苦しく我が身をかき乱すのか・・と言うヨハネス。
そこに重なる、憂鬱なもの思いにまかせるクラリネット。
・・少し明るい兆しが見え、ふたたびチェロが励まします。消えゆくようなppのピアノ・・。
この余韻はどこへゆくのでしょう・・。

第4楽章。あらあら、打って変わって小躍りしそうな心。
嗚呼、ヨハネスさん、あなたは恋をしているのですね。
「そうだ、私は恋をしているのだ。」
その証拠に、時折垣間見える心の乱れを、オケが、そして更にフルートが、同じメロディを繰り返す。
この心の悶え、これぞブラームス!
ここの重厚さ、大好き。どうしてこんな和声を描けたの?ヨハネスさん。
なんだか、ここ、2番の交響曲によく似た音の形です。
そして、最後はなんとスキップしながらフィナーレを迎えるのでございました!
オピッツおじさまは、赤いお顔を更に赤くして熱演されたことでしょう。
ブラームスとオピッツ氏。お髭を生やしているところなど、妙な共通点もあって、わたくしにはこの
演奏がとてもお気に入りです。
友人のHさんはバックハウスとウィーン・フィルのものもお勧めとのこと。
こちらも興味が湧いてきますね。
次回は、1番のピアノ協奏曲について書きたいと思います。






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Last updated  December 21, 2006 11:30:25 PM
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