文通。
ペンフレンド。
この言葉の響きに、郷愁を覚える方も多いはず。お若い方は「何それ?」と思われますか?
IT社会になった今では、もはや死語かもしれませんね。
「学生の頃、文通していたよ。けれど、いつの間にか途絶えちゃった。」
そんな方もいらっしゃいませんか?
わたくしには、現在でもふたり、ペンフレンドがいます。
猫の話題がご縁で、中学生の頃から続いている女性が九州にひとり、そして、高校生の
頃から続いている、オーストリア人の女性がひとり。どちらも、わたくしよりひとつ年下でございます。
九州の彼女とは、昨今は、携帯電話のメールでしょっちゅうやり取りしているので、さすがに
手紙を書くのは年賀状ぐらいになってしまいました。今年家を建てて引っ越したそうで、つい
昨日も新しい住所をメールで聞いたところです。日本の世の中、便利にはなりましたが、なんだか
便利すぎて「手書き」のあたたかさ、手紙を受け取った時のわくわくする気持ちはすっかりご無沙汰
しています。
しかし、オーストリアのMRS.BAUMGARTNERとのやり取りは、違います。
ザルツブルク近郊の、のどかで小さな村に住んでいる彼女。そばには古城もあります。
「隣りのドイツはIT先進国だからテクノロジーが進んでいるけれど、うちの国は遅れているから、
PCがある家も少ないのよ」と彼女。わたくしのメールアドレスを書いても、未だにナシの礫です。
その代わり、彼女の手書きのあたたかな手紙は、海を越え、空を越え、時間という熟成を経て、
わたくしにいつも幸せと、外国の香りを届けてくれます。
敬虔なカトリック教徒である彼女に、遅くなりましたが、今日やっとクリスマスの贈りものを送る
ことができました。
祭日であるため、郵便局に念のため問い合わせると、なんと集荷に来てくださるとのこと!
まあ、そんなサービスが郵便局にあったなんて、今まで全く知りませんでした!
午後3時すぎ、ちょうどFMでN響の第九が始まった頃、局員さんが見えました。
「じゃあ、お預かりして重さを確かめたらまたお代をいただきにあがります。」とおっしゃいました。
「え、それはご足労ですから、量りならキッチンのものがありますし」と、キッチンスケールを
持ってまいりました。158g。
「えー、と、オーストリアなら第2地域ですから最初の50gまでが・・」と、局員さん、計算を
始めました。「すみませんね。こういうことが初めてでして・・」と、料金表を見て、笑いながら
電卓をはじきます。税関で必要なシールも、わたくしが申し出るまでご存知ないご様子。
なんだか、「田舎の局員さん」という感じで、微笑ましくて、楽しいひとときでした。
さて、無事、計算が終わってお代をお支払いし、局員さんは帰ってゆかれました。
今年中にかの地に届いてくれることを祈るばかりです。
彼女と、13歳のお嬢さんにはピアスを、2歳になったばかりのVery Sweetなボクには
日本の童謡のCDを送りました。気に入ってくださるとよいのですが・・。
住所に「ヨーロッパ」と書いているのは、
以前、間違って「オーストラリア」へ送られた
ことがあったから。
彼女とのそもそものご縁も、実は紹介の仲介先が
「オーストリア」と「オーストラリア」を間違えた
ことによるものでした。
先日、駐日大使が、「今後、オーストリーと呼ぶ」
と、おっしゃっていましたが、その提案は果たして
根づくでしょうか・・。