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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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March 25, 2008
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カテゴリ:楽しむは音
3月25日は、ベラ・バルトークの誕生日。

今日は、彼のヴァイオリン・ソナタ集を聴いています。

ヴァイオリン・ソナタ第1番Sz.75

ヴァイオリン・ソナタ第2番Sz.76

無伴奏ヴァイオリンソナタSz.117


クリスティアン・テツラフのヴァイオリン、レイフ・オヴェ・アンスネスのピアノで。


全般的に、東欧諸国の民族性が強いバルトークの音楽。

でも、このソナタ集はちょっと毛色が違います。



それは、どこまでも内面へ内面へと向かう世界。

自分との対話。葛藤。あるいは邂逅。

過去のあやまちへの懺悔。残した記憶への苦悩。

ゼイサク相容れない物事への苛立ち。

抜け出せない漆黒の闇の中で、なんとか光を見つけようと、もがく仕種の愚かしさ。

そうした自分を見つめる、もうひとりの自分。

そんな禍々しいまでの旋律の連続、全曲をまともに聴くには、かなりの忍耐が必要です。

できれば、耳を塞いで、目を背けて通り過ぎたい・・。


人生にも、同じような瞬間があるはず。

良かれと思って差し出した掌(たなごころ)を、剣(つるぎ)のような言葉ではねのけられ、

まるで場違いだったことに気づく瞬間が。

疲弊し、傷ついた心が必要なものは、塩分なのか糖分なのか、それさえもわからない瞬間が。

でも、それでも、愛を持って接してゆこうと、高潔な精神で歩んでゆこうと、清濁併せ呑む瞬間が。


「だからこそ、耳を塞いではいけない。目を背けてはいけない。」

全身全霊を傾けて、楽器を鳴らすテツラフとアンスネスは、そう言っているようです。

このふたりによる作品集は、このような深層心理の世界をも想起させてくれる好演。

彷徨えるあなたの心にも、おすすめです。





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Last updated  March 25, 2008 05:51:53 PM
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