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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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June 3, 2008
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カテゴリ:楽しむは音
いつもブログでお世話になっているももこさんのご厚意で、思いがけずも、平日夜に行われる

サントリーホールでのコンサートに行けることに~♪


エレーヌ・グリモーのピアノ、パーヴォ・ヤルヴィ氏指揮、フランクフルト放送交響楽団による、

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調「皇帝」を聴きました。

直前に、1麻呂のピアノの先生がお持ちの、彼女のこの曲のCDをお借りしてMDに落とし、

家で十分に聴き込んで臨んだ、ドキドキハートもののコンサートです。


ヤルヴィ氏と肩を並べてステージに登場したグリモー。グレーに近いベージュの不思議な色合いの、

ヒラヒラがいっぱいのブラウスと、黒のパンツスタイル。スラッとおみ足が長くて、颯爽としていて、

もうこれだけでウルウルきてしまった私は、自分が結構ミーハーなのだとこの時初めて知りました。。


「ジャーーーンッ!」(←こんな表現ですみません)短い序奏のあと、グリモーの華麗極まりない

ピアノが弾けました!

わあ、CDよりずっとずっといいじゃないのぉ~~~っ!!

ヤルヴィ氏のキビキビした動きに合わせて、歯切れの良い音でオーケストラが歌います。

その間、グリモーはとてもいい表情で曲の流れに浸っているように見えました。

私の席は、彼女のお顔とペダリングがとてもよく見える位置。

左足は、ソフトペダルを踏む時以外にも、リズムを刻むように、右足とまったく違う動きをしていて

音楽に深く入り込んでいる様子が伝わってきます。

そして、これが女性の奏でる音かと思えるような力強い打鍵、そうかと思うと、繊細でキラキラ輝く

ような音色のところもあり。多彩な表現力でベートーヴェンの真髄を聴かせてくれます。

「すごいわ、この人っ。この人は生で聴く人だ!今日聴けてよかった・・・」

カデンツァは、トリルやオルゴールのような旋律が、決して消え入ることのないppで見事に弾かれ、

すぐ後に続くオケも、彼女の邪魔をしない音量で入ってきて、調和のとれた状態を保持したまま、

雄々しく激しい第1楽章を閉じました。ヤルヴィ氏、上手い。やるわね。


第2楽章は、静かに始まる弦パートの美しい響き。

グリモーは、さらに静かに、夢見る乙女のような甘い音色で始まりました。

長い長いフレーズを、ピアノ、オーケストラ共に、実に丁寧に弾き、幾色もの絵の具が混ざり合う

ような、なんとも言えない美音が溶け合うその「色」に、ホールは包まれました。

管楽器群とのかけ合いも、夢の続きを何度も見ているような、いい気持ちになりました・・。

聴衆は皆、陶酔状態です。

ベートーヴェンは、この楽章をいちばん気に入っていたのかもしれない・・・。

そんなことを考えさせる余韻を残しつつ・・・、


そして突入した第3楽章!

もう、グリモーは全開!CDよりもノリノリのテンポで軽快に、しかし力強く進みます!

両手によるユニゾンの部分も、このテンポでも決してもつれることがない!

途中でピアノが止まってオーケストラに引き継ぐフレーズのところも、スムースに繋がって、

それぞれの役割を果たしている感じがひたひたと伝わってくるのでした。

私、第3楽章の途中から、突然胸が熱くなってきました。

グリモーの熱演、ヤルヴィ氏の渾身の指揮、そしてそれに応えるオーケストラ!

いいコンサートを聴いた時の充実感を、全身で感じることができたのです。

フィナーレ後は、いくつもの「ブラヴォー」が飛び交いました。

グリモーも何度もカーテンコールに呼び戻され・・・。

そしてついにピアノの前に座り、次の瞬間、ベートーヴェンのop.109のソナタの第1楽章を

弾き始めたのです!!

これには大感激でした!!あの、音楽史がロマン派へと移行することへの予言ともとれる秀作を、

グリモーの生演奏で!しかもコンチェルトのあとのアンコールで!

ここに居合わせた聴衆は、なんと幸せな時間を共有したことでしょう!

ああ、今日のベートーヴェンで、私もグリモーの大ファンになりました。



さて、フランクフルト放送響、いいですね!

ドイツには伝統のあるオーケストラが幾多もありますが、このオケも過去、現在、未来へと、

確実に「自分達の音」を伝承していくのでしょう。(ホルン、頑張っていました。存在感ありました。)

2ndヴァイオリンの最後列プルトに、庄司紗矢香ちゃんそっくりの女性がいて、グリモーと彼女を

交互に見ながら聴いておりました。楽器も彼女の「ヨアヒム」に似ていたような・・。

昨年のヴェルビエ音楽祭が縁で、こうしてトラでさりげなく「友情出演」するのも「あり」かな~と

思いながら見ておりましたが、果たして真相はどうだったのでしょう。。


そして、ヤルヴィ氏。時々大きく腕を振り回したりして「踊って」いる仕種がお茶目でもあり、

巨匠の片鱗をのぞかせる絶妙の「間」の取り方も素晴らしく、見てよし、聴いてよしの指揮者でした。


グリモーさま、お疲れ様でした。素晴らしい演奏をありがとう。

またの来日時には、必ずやあなたの演奏を聴きに足を運ぶことを、ここでお約束いたします。


そして、本日の最大の感謝を、ももこさんに。

ももこさん、衷心から、ありがとうございました!

またいつか、ご一緒させてくださいね♪


追伸:会場にはテレビカメラが数台!ももこさんがクルーに確認してくださった情報によると

秋頃のNHK教育テレビ「芸術劇場」で放送予定とのこと♪

皆さま、どうぞご覧くださいね~。



            小雨に濡れそぼるサントリーホールとアークガーデン。
            薄暮の緑濃い森も、風情があってよいものですね♪
            荷物が重かったのでちょっと手ブレ。。

     サントリーホール






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Last updated  June 5, 2008 07:20:10 PM
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