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La Vie・音楽とともに ~標高1,000mの高原だより~

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May 10, 2009
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カテゴリ:楽しむは音

 

onp4.jpg

大型連休前のある日、会社のSさんが言いました。

「アシュケナージ、聴きますか?」

Sさんは、この仕事のエキスパートの才媛。うれしいことにピアノがお好きです。

「う~ん、若い頃はよく聴きましたけれど、今はあまり聴かないですね。」

「今は指揮者としての活躍の方が多いでしょうね。」


こんな、ふとした会話から始まって、話題はラフマニノフのピアノコンチェルトになりました。

「ラフマニノフのピアノ協奏曲、私は狂詩曲が一番好きですが、

かのんさんは誰の演奏がいいですか?」

「狂詩曲、あれね。♪タン、タ、タラララ、ランッ、タラララ♪パガニーニのカプリースの主題の」

「そうです、その主題もいいですが、私は第18番目の変奏部分が好きなんです。」

「あ、♪ラ~ララララ~、ラ~ラ~ラ~ラ~♪ですね~。」

「そうですそうです♪」

そこで急に思い出しました。

「狂詩曲は誰の演奏がいいか全然詳しくないけれど、コンチェルトの2番と3番なら、

ラフマニノフ自身の演奏するCDが、確か家にありますよ!」

「本当ですか!」


家に帰ってから、早速CDが詰まっている箱の中をごそごそとやってみました。

ずっと昔に買って、一度か二度聴いたきりでそのまま箱の奥にあるはずのCD。

自信がなかったけれど、かなり古い地層のところで見つけました。

翌日Sさんにお貸しして、連休明けに戻ってきました。

「とてもよかったです!!」


ぼんぼり

セルゲイ・ラフマニノフ、つまり、作曲家本人による自作自演のライヴ演奏。

SPレコードの復刻版、いわゆる「赤盤」です。

作曲家自身の演奏する音源が残っていることに、私たち音楽ファンは

喜びと感謝の気持ちが募りますね。

ベールがかかったような、遠い音質の演奏ですが、

ここには確かにラフマニノフの音楽の息遣いがあります。

同時に、彼の美学をも感じます。

意外とあっさりとして、けれども、

他の追随を許さない、スリリングでハイテンポな展開を見せる第1楽章は

聴きごたえがあります。

第2楽章は、現代のピアニストがあまり表現しないような

左手の音が際立っている部分が数箇所にあります。

フィナーレはもう圧巻。迫力ある演奏で、聴衆を魅了したことでしょう。

最後に少しだけ入っている拍手も、きっと鳴り止まなかったでしょうね。

ぼんぼり

ここ数日、ずっとこのCDを聴いています。

「古きを温ねて新しきを知る」

現代を生きるピアニストたちも、この演奏に耳を傾けて

多くを学びとっているのでしょうね。

全体的に、ほんの少しピッチが低い

“いにしへ”の音。

すっと背筋を伸ばしたくなるような、ソリスト、そしてオケと指揮者の気迫に満ちた

貴重な貴重な録音です。

 

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今は、こちらが市場に出ているようですよ。






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Last updated  May 10, 2009 06:41:07 PM
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