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September 25, 2010
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カテゴリ:楽しむは音

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ツィメさま

 

グラモフォンのカレンダー、9月はツィメさまどきどきハート

 水玉いろいろ

・・というわけで、これを機に、ずっと書きかけの状態だった、

5月のリサイタルの模様をお伝えしたいと思います。 

ショパン生誕200周年を記念して日本全国をひと月かけてめぐった

オールショパンプログラムでのリサイタルツアーです。

私は、いちばん近い長野公演に行ってまいりました。

 

日時:2010年5月21日(金)19:00開演

於:ホクト文化ホール大ホール

曲目:Aプログラム

ノクターン第5番 嬰へ長調op.15-2

ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調op.35「葬送」

スケルツォ第2番 変ロ短調op.31

ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調op.58

舟歌 嬰へ長調op.60

 

ツィメルマン氏の生のピアノを聴くのは、軽井沢の大賀ホール以来約2年ぶり。

昨年も長野市のこのホールに来られたようですが、その時は行けずじまい。

ですので、この日の演奏会をとても楽しみにしていました。

しかも、すべて私の大好きな曲(三種の神器含む)ばかりなのです。

水玉いろいろ

ノクターン第5番で、静かに、優雅なひとときが始まりました。

ひとりで過ごす夜にぴったりのイメージがあるこの曲は、

ショパンの19曲のノクターンの中で、私が最も愛する曲です。

誰もいない夜のひとりごとのように、ツィメルマン氏の深淵な

音の世界がひろがってゆきます。

中間部の美しい響きと力強い打鍵と。その対比が、この人の真骨頂。

霞がかかったような曲の終わり方に、聴衆はその余韻を楽しんでいるのか、

それともただ、忘れただけなのか・・、何故か拍手は「なし」でした。

ピアノ・ソナタ第2番。重厚で難度の高い第1楽章。

速いテンポでよく鳴るピアノ、よく変化する彼の表情。

やはり2番はこうやって始まってほしい。

そんな私の願いを知っているかのように。

あら・・・。第1楽章が終わるや、何故か拍手がパラパラと・・。

拍手したくなるほど素晴らしいのはわかるけれど、その感動は

最後までとっておきましょうよ、皆さま。。

さて、華やかな第2楽章。鍵盤の上を、左へ右へと、

彼の腕が大きく動く、大きな音楽。

強弱、テンポ、ワルツ風になる展開、どれも変化に富み、同時に激しい曲調の

この楽章を、いとも簡単に、楽しそうに弾いています。

ああ、あんなふうに弾けたらなあ・・と、羨望と畏敬の念が交差する私の心。

第3楽章は「これ以上ない」ほどのゆったり(ゆっくり)テンポで

進んでゆき、行進曲と中間部のノクターン調との対比が際立って美しい。

・・ところが、大変悲しいことに、ここで客席から携帯電話の着信音が!!

私にとって、演奏会での初めての体験でした。

曲が、ちょうど行進曲の再現部に戻り、怒り狂ったかのように(まるで、

自分の音楽に満ちた崇高な空気を、あの電子音に汚されたことへの

抗議のパフォーマンスのように)、顔を真っ赤に染めて

鍵盤を打ち鳴らすツィメルマン氏。すごい気迫!

第4楽章は、前楽章から休みなく続けて弾かれ、

こちらは「これ以上ない」くらいの超超ハイテンポで、

ソフトペダルを駆使してつぶやきのような弱音であっという間に

最後の強打の一音。彼は、そこで天を仰ぎました。

「主よ、彼らを許したまえ・・」(と言ったかどうか・・)

水玉いろいろ

前半最後はこれも大好きなスケルツォ第2番。

ついつい曲に合わせて首や身体を揺らしてしまう・・。

ひとりで来ている、隣りのお若い公務員風優男氏(既婚らしい。指環あり。)に

嫌われてしまいそう・・と思いながらも、ついでに指まで動いてしまう。

途中、客席から子どものくしゃみが2回続けて起こり、

ツィメルマン氏は即座にピアノから顔を上げ、曲を続けながらもちょっとお道化た

表情を客席に向けました。くしゃみの主が子どもとわかってのことなのか、

とてもユーモアたっぷりのリアクションで、彼の寛大なお人柄を感じた瞬間でした。

ああ、やっぱりいいわ~、この人のスケルツォ。

大好きな曲を、いちばん好きな、夢見るような弾き方で聴かせてくれ、

まるで彼の指先から宝石がこぼれてゆくようなピアノの響きで、

本当にこの曲を聴けて幸せでした。

休憩後は更に興奮のピアノ・ソナタ第3番。

彼が2番と3番を同じプログラムで取り上げることは

とても珍しいことなのだそうです。

大賀ホールでも聴いて感動した3番ですが、この日もまた、

完璧に私を酔わせてくれました。

最後は、しっとりと舟歌で締めくくり。

ショパンがジョルジュ・サンドとの生活に終止符を打つ直前に

書かれたことも背景にあったからなのか、左手の波の動きの

表現が、そのままショパンの揺れ動く心のさまを表しているように

聴こえ、とても興味深く味わいのある舟歌でした。

グラモフォンのCDで聴く彼の舟歌もいいけれど、

やはりツィメルマン氏はライヴがいい!

電車に乗って聴きに来た甲斐がありました。

演奏後、ファンの方から花束を受け取ったご本人も、ご満悦の笑顔でした。

こうして、ショパン生誕200周年を無事にお祝いすることができた一夜でした。

ツィメさま、素晴らしい演奏をありがとうございました。

 

ツィメさまのピアノ

 

休憩後の曲のレビューが少ないのは、感動のあまりメモを取るのを忘れて

しまっていたからなのです。皆さま、悪しからず、ごめんなさいませ。。

 






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Last updated  October 10, 2010 07:01:43 PM
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