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カテゴリ:日常
あるものというのは人ではなくラジカセです。
現在、部屋の中が雑然としています。荷造り中です。 ちょうどいい機会なので身辺整理も一緒にやっています。 話がそれそうなので本題に。 擬人化でもして「彼女」で進めてみたりしたら、面白いだろうか。でも自分の中では「彼」の方がしっくりきそうだ。 彼と出会ったのは18の3月だった。 ちょうど新しい次の千年紀が始まる時期。まあ、キリスト教を信仰してない自分には何の感慨もございませんが。 彼を買った決め手は価格と機能、デザインだった。 価格は確か2万を切っていた。確かなものは覚えていない。 機能として、CD、MD、カセットそしてラジオというもので、それまで聞いていたカセットも聴け、新しいものはMDに入れられるという、お得なものだった。 彼を買って1年目、彼は花形スターだった。 寮の中で週2回だったな?(うろ覚え)掃除があり、その時にBGM提供者として彼を使用していた。 かなり品質のいいスピーカーだったようで、かなりの爆音にしても音が割れず、心地よい低音を提供してくれた。 しかし、飲み会で音楽をかけているとき、何かの拍子にMDが使えなくなった。 そして2年目、留学のため、彼は連れて行かなかった。 すきな音楽のない生活は非常に苦しかった。 それまでの音はすべてMDに録っていたため、好きな音が全くない生活となり、つらかった。CDを買おうと店に行ったが、日本のロックは中国で流行らない(というかロックが極僅か)らしく、ロックに飢え、その頃洋楽を聴き始めた。 と言っても数枚。よく聴いたのは友達に薦められたニルヴァーナのネバーマインドだった。 いい音なんだけど、なぜか気持ちの堕ちて行く不思議な音だった。 3年目、帰国直後、MDの故障を直しに電気屋に持っていくと、突然もとに戻った。なぜかはいまだに不明だ。 それからずっと、彼とはともに生きてきた。 テレビのない自分の部屋で、ながらにつけるのはラジオで東京FMに常に合わせていた。ジャズというものを記憶したのはその頃だったと思う。 東京FMがなんだか推していたから。 特に朝の目覚ましとして活用し、彼を大音量でセットすれば、いくら朝に弱い自分でも一発で起きられた。 おかげで早朝のバイトにもほとんど遅刻しなかった。 その後、デジタルオーディオが出回りだしても、金もなく興味もなかったのでMDで済ませていた。 パソコンでも音楽は再生できたが、パソコンの音はなんだか平たい音で、やはり彼の音が一番だった。 パソコンのスピーカーを変えても起動が遅く、やはり彼が一番だった。 去年に入って彼の調子がおかしくなった。CDを再生できなくなった。 最近はCDに焼いて音楽を聴くようになっていたので、かなり痛手だった。 どこをどう扱っても治らなかった。 恐らく、CD-Rを再生していたことが原因だろう。その手のCDは昔のCDプレイヤーには悪いと聞いたことがある。 職場の友人の勧めもあり、iPodtouchを購入したおかげでだんだんと彼と疎遠になってきた。 最近は電源を入れることもまれだ。 この引越しの機会に考えた。 彼とのお別れの時期だろうか。 迷った末、母と話してみることにした。 「ラジオとして使ったらええんやない?」 そうだ。今の場所はラジオが全く入らないが、引っ越し先は必ず入りそうな場所だ。 「新しく買ったりしたらまた高いやろう。いい音でるやつやないとFM聞いても物足りんやろ? どうせ業者が梱包してくれるんやろうけん、持っていきぃや。」 まだ彼には一緒にいてもらうことにした。 彼にことばがあればなんというだろう。 彼にはかなりの苦労を強いてきた。 最初に会ったリモコンは前の前の前の部屋で紛失してしまった。ゴミにまぎれてしまったらしい。 最初は青みがかかった白だったが、酸化?日焼け?のせいか黄ばみのかかった白に変化している。 文句を言いながらも、しぶしぶついてきてくれるのだろうか。 何か忠告でもしてくれるだろうか。 それか愛想も尽きているのかな。 なにわともあれ、これからしばらく一緒にいきよう。 一緒にいるのも何かの縁だろう。別に何の裏の意味を込めていない。 含めたみたいで嫌だが違うと宣言しておく。 さて、休憩終了。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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