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テーマ:レンタル映画(818)
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skyのお勧めで一緒にこの作品を見る。メル・ギブソン主演、監督作品。作品の完成度から言ってもっと評価されても言いような作品だが、『ブレイブハート』などに比べると有名ではない。
内容は一言で言ってしまえば、ある少年とある教師との絆を描いた物語。作品の中では「父性」がテーマになっているように思う。 舞台は、とある郊外の海辺の田舎町。 主人公は少年。彼は3人姉弟の真ん中で、長女、次女に挟まれている。彼らの親はそれぞれ異なる。理由は母親が結婚しては子供を作り離婚を繰り返したためだ。つまり自分の他に男性がいない状況だ。父親が違うせいか、母親の放埒さが原因か、長女、次女との関係は悪い。 自分の父親は飛行機乗りで朝鮮戦争で諜報活動をしていたが戦死したことになっている。しかし、心の片隅で、それは嘘なのではないかと思い始めている。 ここではない場所にいきたい。ここを出て行き、独り立ちしたい、その気持ちが彼の心の中を占めるようになる。 そこで彼は寄宿舎のある将校育成の私立学校を目指す。彼の成績では到底入れる所ではない。自学を行うが、うまく行かない。 街外れに立派な邸宅があり、そこには皆が恐れる顔の半分が怪物のように焼けただれている、人間嫌いの謎の人物が住んでいる。ふとしたきっかけから、彼と関わりを持つようになり、勉強を教えて欲しいと頼む。最初は断るが、少年の熱意に触れ、折れて、彼を教えることになる。 教育の成果もあって、彼の学力は日増しに伸びる。また、無意識下で父親を求めていた少年は顔のない男に父性を求めるようになる。 しかし、街では変人として忌み嫌われ、得体のしれない人物とされていたことから、自動虐待の疑いがかけられる。 彼は昔、教師で生徒の死から自動虐待の冤罪を受け、教職を退いていた過去が明かになる。そのせいで、引きこもるようになり、芸術家として生計を立てていた。 当時の自動虐待に対する目線は疑わしきは罰せよだった。今も変わらないだろう。先生が善意から異性の生徒を自宅に招いて個人教授を行えば、黒でなくても罰せられる。 最終的には法廷に引きずり出され、面会禁止の処罰を受ける。 少年は無事合格を果たす。報告したい相手は、すでにいない、引っ越している。置き手紙があり、会えないが、君をいつまでも見守っている、とある。 ラストは時が経過し、少年が青年になっている。卒業式、離れた遠く彼方でひっそりと彼を見守る顔のない男の姿がある。青年は気づき、笑顔になる。 以上。 父性。現代ではあまり求められない、やさしさや保護ではない、感化や厳格さによる育成、しかしながら往々にして誤解されてしまう社会の不条理さ、そういったものが描かれている。 自動虐待と聞いて、日本人の私は真っ先に暴力を思い浮かべるが、これは未成年に対する性的虐待を含んでいるらしい。後で知った。たしかに西洋は同性愛が問題になることが多い。ある作家が西洋人は少年のころは本当に美しく、それが少なからず原因となっていると見ている。 自分の頭の中にそのような感情は微塵もないから説明されないとピンとこなかった。 師弟という関係は非常に難しい関係であると思う。師として求めていても、相手はまったく眼中に置かれる。存在を認めてくれるようになるまで、努力はするが、能力が達しない場合は絶望の中をのたうちまわりながらいきなければならない。 少年はそのようにふてくされていない。相手がどうであろうと、どんな状況下におかれようとも、師として仰ぎ、真剣に向き合っている。相手がどう思うか、それは問題ではない。 自分がこれだと決めた道を貫く。その先にしか闇を打ち破る光明はない。 俺はこの少年のように強く生きられるのかな?自問している時点で、いまだに未成熟という証拠だ。 自分が純粋に好きだと思うことをやろう。 【22%OFF!】顔のない天使(DVD) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/06/16 06:10:15 AM
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