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カテゴリ:書評、感想
ナポレオンによってヴェネツィア共和国が終わりを迎える。
海洋国家として維持できなくなったヴェネツィアは農業にシフト。そのために身分の固定化、貴族の衰退を招く。 トルコとの交戦で地中海の権利を失い、ナポレオンによってとどめ。 ヴィヴァルディの世紀では最後の間に享受していたヴェネツィアの文化とその豊かな観光資源、風俗についての物語。 解説に書かれたように、また、書き出しで書かれたように人物を中心に描かれるわけではなく、終始一貫してヴェネツィアという都市が主人公となって描かれてゆく作品だった。 以下は読後の雑感。 ローマ人に比べて重いと感じた。読み進める上で、ローマ人と並行して読んでいたが、時間がかかった。 最終巻ということからか、終わりはいつも寂しい。 貴族達の自己保身はその前の歴史からある「高貴なるものの務め」となんだか隔離された感があった。 英雄、独裁者?優れた指導者は敵から見れば独裁者としか見れない。 トルストイ『戦争と平和』でもナポレオンは卑小化して描かれる。 人の本当の姿、それは想像の産物? いまでもヴェネツィアは観光名所だ。 いつか行ってみたいものだ。まあ、お金さえあればの話だが。貧乏ってのはお金のないことではなくて、ないと感じることにある。 なんてね。そんなことを考えた。 海の都の物語(6) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/09/23 12:41:38 AM
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