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有朋自遠方来、不亦楽乎!

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福井晴敏『虹の彼方に(下)機動戦士ガンダムUC10』角川書店、2011年を読了。

 文庫版が発行される度に購入し、ようやく最終巻に至る。一気に読めない発売日待ちという感覚は、適度な枯渇と焦燥を与え、読書欲を強めてくれる。
(以下、内容に触れる部分があるので、ネタバレが嫌な人はここまでで止めてくださいませ。)

 他人の作品を受けて、それをもとに新しい作品を創作するというのは、最初に作った時よりも、かなりの繊細さを必要とするのではないのだろうか。特に「ガンダム」というのは、開始以来日本のロボットアニメ、SFの代名詞と言えるものとなり、90年代にエヴァが出るまでは独壇場ではなかったかと思う。
 今回の作品にも、コロニーレーザー、逆襲のシャアのアムロとシャアの生身の戦闘を思わせる肉弾戦、ゼータのラストのカミーユの台詞などがオマージュとして登場する。シリーズが好きで内容を知っている人なら思わずニヤリとする内容が登場する。
 最終巻という事で、これまでとっておきに置かれていた秘密が明らかになる。この作品の本筋、『ラプラスの箱』の正体と、フル・フロンタルの正体。謎というのは知ってしまえばどうということはない、話の随所に挿入される。しかし、その由来と経緯、その文脈の中でみれば、重大なことと分かる。
 なんとなく、9条を想起した。戦争放棄。ただの言葉、ただの条文、言ってしまえばそれだけのものだろう。しかしながら、それの生まれた経緯、国際情勢、そして今もそれが保たれている事実を考えると、非常に素晴らしい奇跡みたいなことであると知覚する。そのようなものに近いのだろうか。未来に対する善意、祈り。可能性への希望。
 この巻には「可能性」「祈り」ということばが登場する。精神の可能性、未来への可能性、未来への祈り、祈りは決して神への祈りではない。人のささやかな善意から発する願いというニュアンスを受ける。

 「F91」からガンダムを知って、一通りの作品を見てきた。富野作品でない本編の人間が登場する作品として、高い評価を受けていい作品だと思う。「世界文学」とはどうかと思うが。
 少なくとも、日本のエンターテイメント作品として、誇っていいものではないだろうか。

 アニメの方も見ているが、やはり小説版の方が人の心の細かな表現が優れていると思う。アニメもその表現はなされているが、味わうにはあまりにも早いと感じる。心情描写にこだわってしまうと映像では間延びしたものとなってしまう。ここらへんが難しいところなのだろう。

 率直に、この作品はおもしろかった。満足している。

 まあ、あえていうならサイコフレームの万能すぎな気がしたぐらいか。まあ、ニュータイプという概念も曖昧だし、開かれた可能性の要素がないとSFとはいえないよね。

 そんなことを感じた。





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Last updated  2011/06/01 02:34:12 PM
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