Black Soul 第3章前編
第3章 動かぬ不死鳥 前編ディスコキングケイブ、ゴール地点―――ノラヒカはすぐにゴールしたベルズの元に歩み寄った。ベルズももちろんピーオーに会いにいっていた。ベルズはこのレースで1位を取る事はできなかったが、今はそれどころではなかった。『リスト』の謎を突き止めなくてはならない。ベルズ「どういうことだ?ピーオー、おまえが闇レースに出てるなんて・・・。」ピーオー「おまえも出てるじゃん。まあ、オレはさあ、修行のためだ。アイツを倒すために、闇レースの技術が必要だと言われたから。」ベルズ「アイツ・・・?」ノラヒカ「オイ、ベルズ!」ピーオー「あれはノラヒカ・・・。ベルズ?こいつはブルーペガサスといって・・・。」ベルズ「いや、本名はベルズってんだ。ペガサスになる前の名だ。」ピーオー「へえ。そうだったのか。」ベルズ「で、二人に聞きたいことがあるんだ。この紙を見てくれ・・・。」取り出したクシャクシャな紙はさっきの『リスト』。マッドの名前が書かれていることをピーオーに確認させた。よく見ると、ノラヒカとピーオーの名前も載っていた。もちろん二人は『生存』である。ピーオー「マッドが・・・。でも、闇レースで見た覚えはないぞ。ノラヒカ、ボンネットに黄金の鳥が描かれたチョロQが闇レースに登録しなかったか?」ノラヒカ「黄金の鳥・・・。そういえばいたな、そんな派手なやつが。かなりの腕前だったんだが、闇レースデビュー戦でディオっていうハンターに体当たりされて大事故に・・・。その後の消息は知らない。」ベルズ「やっぱりマッドはきていたのか・・・。そのハンターってのは一体何だ?」ノラヒカ「ハンターってのは、闇レーサーの中でも特別速いやつらで、しかも、相手を事故に落としいれようとしてくる。おそらく狙ってくるのはその『リスト』に載っているやつらだと思うが、邪魔をすればほかのやつにだって仕掛けてくるだろうな。さっきのレースのグスタもハンターの一人。ハンターはグスタ、ディオ、サイバーの3人。正直、ディオやサイバーには俺でも勝てないかもしれないな。」ベルズ「闇レースのレベルがそこまで上がっているとは・・・。それにしても、何でそれだけの実力があって1位を狙わず『リスト』にいるやつだけを狙ってくるんだ?」ノラヒカ「わからない。・・・でも、何か確実にあるはずだ。」もう朝が近づいてきた。3人は街に戻った。青のペガサスは静かに燃えていた。遅かったのか・・・。この『リスト』に書いてあることが、もし本当ならば・・・。ともかく、じっとしていられない。闇レースは夜にしか行われていないが、何か日が昇ってもできることはないか・・・。そう思っていた矢先、ノラヒカが開口した。ノラヒカ「ベルズ・・・、俺たちがレースをしていたとき、ものすごいスピードで追い抜いていった黒い影・・・。あいつ、変なオーラを出してなかったか?」ベルズ「ああ、おまえも気付いたか・・・。あれは、悪魔と同じ気配だ。悪魔ってのは、もうこの世にいないはずなんだがな。マッドスペシャルが倒したんだ。」ノラヒカ「悪魔・・?だとすると、・・・・『デスネスト』のボスは悪魔ってことになるぞ。」ベルズ「どういうことだ?」ノラヒカ「あのオーラ、ボスとあったときにも感じたものだ。」ピーオー「闇レースのボスが悪魔だって?」ベルズ「・・・もしかして、悪魔はマッドに倒される前に、ブラック・マリア以外にも『悪魔の力』を与えたかもしれない。あのオーラは、『悪魔の力』を持ったヤツの気配だ。ブラック・マリアからも感じただろう?」ピーオー「なるほど。でも、俺たちにはもう『ペガサスの力』がないんだから、マズイんじゃないか・・?」ベルズ「一刻も早く、事件の解決に向かわなくてはならないということだ・・・。ボスの手がかりでも掴めればいいんだが・・・。」ノラヒカ「手がかりなら、あそこはどうだ?」指差した先にあるのはツートーンファクトリー。2つの黒い影が飛び出した場所である。何か、手がかりはあるのかもしれない。ただ、問題は警察が今だ調査中で、立ち入り禁止となってしまっていることだ。ベルズ「あの工場はかなり大きいんだろ?まだ奥のほうまでは調査が行き届いてないはずだ。昨日は怪我人の方が問題だったからな。」ノラヒカ「地上から入っていくのは無理だ。ちょっと、ついてきてくれ。ほかのルートを案内する。」幸いにも、ノラヒカにはツートーンファクトリーに入る当てがあるらしい。立体駐車場の2階に上り、そこから長く伸びた青色の通路の先に、高速道路の入り口があった。スプラッシュハイウェイという名の道路だが、そんなところからどうやって工場に入ろうというのだろうか。追試の勉強が忙しいです。公開遅くなりました。えらく速いテンポで話を進めてしまった第3章前編。もうちょっとじっくり書いてもよかったかも。