オーストラリアでナースを目指す！！

Molokaiという映画を見ました。これは19世紀後半にハワイにあるモロカイ島の一部に隔離されたハンセン病者のため、島に渡ったベルギー人の神父ダミアンの真実を基にした映画です。ハンセン病の治療法がまだ確立されていない頃で、発症した患者は家族から離され島に収容されたのでした。ハンセン病そのものは細菌による慢性の感染症で、感染性は弱いのですが、人々の理解不足からいろんな国で隔離治療された歴史があります。ダミアンはその人柄から、患者との接触を避けることなく感染の危険などかえりみずに、患者の心を癒したり、劣悪な島の環境を整えるために政府や教会に懇願することに命を捧げました。ダミアン本人、最終的にハンセン病を発病し４９歳で亡くなりました。

日本にはハンセン病患者への対応に関して恥ずべき歴史があります。1941年にこのモロカイ島でハンセン病が治癒することが実証され、世界的にも隔離の解除がなされた中で、日本では1996年まで「らい病予防法」にて強制隔離政策が続行されてきました。日本政府の対応の遅さによる人権侵害や２次被害は、ハンセン病だけではなく血友病患者のHIVウイルス感染にもみられることです。事実を知っていながら政策を変更することなく、国民一人一人のことなど考えることなどなかった日本政府を100％信じることが出来るでしょうか？これまでの過去を教訓として良い方に向かっていけばよいのですが、イラクでの戦争といい、日本の政府が行っていることにはただただ疑問を持つばかりです。

イラク戦争に話は変わりますが、オーストラリア政府もイラクに派兵を行っています。先日選挙があり、派兵を続行すると言うジョンハワード率いる与党・保守連合党と、派兵反対のマークレイサム率いる最大野党労働党の戦いになりましたが、結局ジョンハワードが首相を続行することになりました。国民の多くは戦争を支持しないだろうと思っていたのですが、選挙の焦点は戦争よりも経済政策(つまりは個人の目先の利益)だったようです。「戦争は心配だけれど、経済はよくなってほしい。」という感じです。私としては「経済はよくなってほしいけど、戦争はもっと心配。支持すべきではない。」というのが本音なので、この選挙の結果にとても失望しました。この先この国に住んでいくかもしれないのでなおさら不安を感じました。日本政府はどのようになるのでしょうか。日本には過去に原爆で身をもって戦争のおろかさを感じた経験があるのに、戦争に対して中立の立場をとらずに間接的ではありますが戦争に参加しています。けんかは相手がいなければ始らないのと同じで、テロも相手がなければ始らなかったことかもしれません。戦争を続ける限りはテロも続くことでしょう。日本の、戦争を知らない世代が戦争を知る世代になるのもそう遠くはないかもしれません。

ここ、オーストラリアでは投票は義務で、投票をしないと罰金を払うことになります。それゆえ投票率はいつも90％以上だそうです。日本では投票は権利であって義務ではないということですが、「投票率44％」とかになってしまうのってどうもおかしいと思います。国民のたった半分に満たないの人々の意思だけで選ばれた日本政府に、投票をしていない人は日ごろ文句は言えませんよね。20歳代がもっとも投票率が低いようですが、投票していない人の意思だけでも結果が大きく変わる可能性があることを多くの人に知ってもらいたいと思います。「どうせ自分の１票でなんて何も変わりはしない」と思わずに、何もしなければ何も変わらないのだから、何か変化を期待するのであれば投票に行くべきです。この戦争をきっかけに若い人たちが政治に関する個人個人の影響力を自覚してもらえたらいいです。

私もこちらで在外選挙の手続きをしました。小さな一歩ですが、母国が安全で、過去の過ちを二度と繰り返すことのないように何かを変えていけたらいいと思います。

参考URL：
ハンセン病についてhttp://www.hansenkokubai.com/
オーストラリア選挙の結果についてhttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041009i314.htm
明るい選挙推進協会http://www.akaruisenkyo.or.jp/