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テーマ:海外のナース(81)
カテゴリ:看護
オーストラリアにも毒をもったクモや蛇がいます。多くは森の中に潜んでいるようですが、シドニーなどの都市でも庭に潜んでいたりすることがあるそうです。ファーストエイドのコースでは、このようなクモや蛇にかまれた時の応急処置法も学びました。
基本的な対処法は「包帯」と「固定」です。 これは、咬まれたところから体中に毒が回るのを抑制するためです。動けば動くほど循環が良くなるので、なるべく動かないように固定をします。注意することは、すべての循環をストップさせるほどきつく包帯を巻くのではなく、巻いた包帯に指が2本ほど入るぐらいにします。血液の流れを止めてしまったら、その部分の組織が死んでしまうからです。ほとんどの毒は血管に直接吸収されるのではなく「リンパ腺」と呼ばれる器官から吸収されるため、血管をふさぐ必要はありません。 ひと昔前には、「咬まれたところから毒を吸い出して、毒が回らないように(足や腕を)きつくひもで縛る。傷口を切る。」という風潮がありましたが、これは今では間違った対処法とされています。決してやらないでください。 対処法 詳細・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.あわてたり動き回ったりせず、危険がなければその場に休ませる。 2.救急車を呼ぶ。 電話番号「000」 携帯からは「112」 (いずれもオーストラリア国内のみ) 3.咬まれたところをガーゼなどで保護する。決して洗ったりこすったりしない。(傷口に残った毒からどのような毒なのかを検査することができるため。毒が特定できれば、すぐに必要な血清[薬]を打つことができる。) 4.手をかまれたら腕全体(指先から脇に向かって)を、足をかまれたら脚全体(つま先から股に向かって)を覆うようにしっかり包帯を巻く。 5.添え木(なければ新聞紙・雑誌・ほうきなどでも応用可)を使って 腕、脚が動かないようにする。決して咬まれた部分を高い位置に持ち上げたりしない。 6.救急車を待つ。必要なら心肺蘇生を行う。決して包帯を緩めない。 参考URL: http://www.termite.com/spider-bite-first-aid.html http://www.avru.unimelb.edu.au/avruweb/Pi.htm ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 対象: Brown Snakes(ブラウンスネーク・コブラモドキ) Tiger Snakes(タイガースネーク) Taipan(タイパン) Black Snakes(ブラックスネーク・クロムチヘビ) Death Adders(デスアダー) Funnel Web Soiders: (ファンネルウェブスパイダー・ジョウゴグモ) 世界で一番の猛毒をもつクモ このクモにかまれたら死に至る可能性があるので、救急車を呼びすぐに応急処置を開始してください。現在血清が発見されています。 上記の対処法が適用しない例外: ・Red-Back Spider」レッドバックスパイダー これは背中に赤かオレンジのマークがついている黒いクモで、咬まれたら死に至る可能性があるので血清(無毒化する)注射が必要です。20%以下の割合で重症化しやすいので注意が必要です。 ・Funnel Web Soiders以外の毒クモ これらのクモに咬まれた時は包帯・固定はせず患部をアイスパックなどで冷やします。痛みと腫れを和らげます。いち早く病院に行って血清を打ってもらうようにしてください。 クモや蛇に出会っても刺激したりひどく驚いたりしないように心がけましょう。ほとんどのクモや蛇は攻撃的ではないので、落ち着いて行動してください。 参考URL: Australian Venom Research Unit http://www.avru.unimelb.edu.au/avruweb/creatable.html Termites Australia 毒グモ http://www.termite.com/spider-identification-control.html ファーストエイド ページ目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004年11月19日 10時38分54秒
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