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Maryam's HP 日記

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Hiro Maryam

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2013年06月02日
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カテゴリ:私見



”ある意識への目覚め”



私が肉体に縛られるという意識を持ったのは三歳になる前で、私の持病のためだ。
お転婆だった私は、もっと走りたい、もっと動きたいのに体の方がそれに従わない、
胸が苦しくて、体が動かないことに気づいた。
心は駆けるが体のほうは駆けていってくれなくて、悲しい思いをした。

発作のたび酸欠状態になり、それが長時間続くと息苦しさが全身を襲う。
ロープで気管を中途半端に生かさず殺さず締め付けられ、延々と苦しみを与え続けられる拷問。
それが数時間、長い時には5・6時間も続く。
身体を捨てて、死んだほうが余程楽なのになあ・・・何度もそれが頭をよぎった。
そうは想っても死ぬこともできず、私は死以外のことで何とかその状態から逃れる道を探すように
苦しみに対する意識を外に飛ばすことを想像し、肉体の苦しみを感じないように試みることに思い至った。

私の身体は、私の身体ではない、私が感じていると思っている苦しみは錯覚だ

っと自分に言い聞かせ続けたのだ。
しかし不思議なことに、こうやって意識を外へ飛ばすほどに、

”心とも、身体とも異なるある意識”が冴え渡っていった。

私はこの”ある意識”によって命を救われたことが二度ある。

一度目は17歳の時に手術で使用した薬剤によるショックで、気管が完全に閉塞され
心臓もストップしたが、国立病院に入院中で運良く大勢の医師が居合わせ、
心臓マッサージと、電気ショックで蘇生してもらった時だ。
傍からは、意識不明とか、完全なる死 と言われる状態の中で、
”私にはこの ある意識 が持続していた。”

大きな漬物石で肋骨を強打、圧迫され続けるような衝撃と、
肋骨が折れただろうと思われる程の激痛で私は意識を恢復した。
そして、私が最初に理解したこととは、17歳の恥じらいのお年頃に、
一糸まとわぬ姿で13人の医師に囲まれているという風景だった。
一命を取り留めた後、口から気管へは、掃除機の筒のようなものを突っ込まれ、ガムテープでとめられ、
尿道にも管を突っ込まれたのだった。

この時私は、

”この世で生きることとは即ち、恥を晒すことである”

と思った。

二度目は、大学の二年の終わり学友と出かけ、彼女らと別れた後本格的に発作を起こした。
出かけた先から主治医の所までの一時間半の間、私はひどい酸欠状態でいた。
電車やバスの中で私は立っていられたがまっすぐ、普通には立っていられなかった。
都会の人々は尋常ではない私の姿を見て何か気付いてはいたが、
それでも誰一人として声をかける者はなかった。
一人だけある女性が、バスの中で私の異常な状態に気付き、非常に心配そうな表情で見ていたが
恐らく私の瞳がそれを拒否していたのを察したのか、彼女もやはり沈黙を保っていた。
都会の無感情は、冴え冴えとしたある意識に、冷ややかで心地良かった。

都会の無感情の中、私の意識は冴え渡り、その意識の力だけで
私は自分の体を支えることができた。
何度階段の上で、今ここから落ちたら、転げ落ちたなら、
さぞ、無様な姿で、頭を強打し、死ぬかもしれないな、、、と思ったが
自分の行動を冷徹に見つめ、その他一切の事象には関知しないような、
”己の心からも身体からも解き放たれた意識”だけで私は持ちこたえた。

ようやく主治医の所に到着し、医者は私の状態をみて血相を変え、
なぜここまで我慢したのか?という表情で手当てをした。
私の発作は治まっていった。

酸欠状態が解除されると、どういう状態になるか皆様はご存知であろうか?
酸素を欲し続けた脳みそに酸素が行き渡り始めると、どういうことがおこるかご存知であろうか?

脳内でキリスト教会の鐘が高々と鳴り響くような激しい頭痛が襲う。。。。

よくドラマなどで九死に一生を得た主人公が
”私は生きていたのか、、、”などというシーンがあるが、
私にとってあの台詞ほど滑稽なものはない。

私の場合、”生”を得た瞬間に”生”の重圧と辛苦が痛みとなって肉体に襲いかかって来た。
生きるということは、私を決して甘やかしたりはしないのだ。
それは17の歳に棺桶に片足をつっこんで戻ってきたときもそうだったし、
20歳の時に酸欠状態から救われた時もそうであった。




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Last updated  2013年06月02日 19時19分03秒
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