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テーマ:短編を作る(405)
カテゴリ:Short stories
あなたとお逢いすることがなくなって、随分久しくなりますね。 こちらはもうすぐ木枯らしが吹き、秋雨が降り続き、 周囲の山々の峰に雪衣を纏わせてしまえば、 あっという間に冬となるでしょう。 あれは偶然だったのか、必然だったのか? 先日、久しぶりにあなたの御姿を拝見いたしました。 天の采配があまりに巧妙であったからか、 わたしはしばらくの間、それがあなただと気がつきませんでした。 勿論、今でもそれは明確ではありませんし、 その事実を確かめるために、それをあなたに問うだけの勇気は、 今のわたしには・・・ いいえ、おそらくこれからもずっと、わたしには御座いませんでしょう。 わたしがそう感じたのは、 わたしが初めてあなたにお逢いしたあの夜と同じように、 心も、そして身体も、ガタガタと震え、 その震えは指の先へまで及んだからでした。 わたしはその自分の身体の反応から、 唯そう思い込んでいるだけなのかもしれません。 あなたの横顔と、振り返った時の笑顔は、 あなたの営みで溢れていました。 そしてその笑顔がわたしに示していたのは、 あなたの瞳に映る、時々の風景であり、 あなたの日々に欠かせない人や物や色、香りであり、 様々なあなたの心の象でもありました。 そしてそれは、あなたとお逢いしていた時も、 また、お逢いすることがなくなった今でもやはり変わらず、 わたしとはかけ離れた、遠い遠い異郷の風景でもありました。
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Last updated
2015年06月09日 11時36分27秒
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