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テーマ:短編小説を書こう!(490)
カテゴリ:Short stories
村の神社の神木のイチョウは、面(おもて)を空に向け、境内横の狛犬に胸の裡を語りしとか・・・ ああ風は、匂(に)を運び過ぎあの影近づく徴(しるし)告ぐ・・・ まことつまらぬ業を終え継母待つ家路の途、つんつるてんのスカートには傷だらけの膝小僧、瞳にみえるは茶目っ気とおなじ程の寂しさと、まあるい唇愛らしくあの娘は風と競いあい我が懐に駆け寄れり 根元に置かれし廃れた遊器具へと醒めた赤のランドセル、ポンっとむげに投げ放つ あの娘に我差し出(いだ)す最下の枝に腕をかけ幹の突起に足を置き、あの娘は小さな身体の重み両手両足交互に委(ゆだ)ね我が懐(ふところ)へと登りくる、小さな胸には呼吸(いき)弾まして… 今日あの娘は学校で何があったか我知らん 昨日家で継母に何言われたか我知らん あの娘の瞳は深い深い孤独の湖(うみ)の色湛え、我はただただそれのみぞ知る あの娘は小さな身体の重み両手両足交互に委ね我が懐へと登りくる、小さな胸には呼吸(いき)弾まして… わが腕(かいな)は小さき腰抱(いだ)き、いざ手向けん、空と海とがあいみる処 緑の血管透ける頬歓喜でうっすら朱に染まり、琥珀色の瞳の大きく見開かれるを、 我うっとり、うっとり眺むればこのひとときぞ夢心地 日暮れ告ぐる西風は我が思慕冷やかさんと取り囲み、その恥ずかしさで身は震え、我は思わず枝揺らめかす、葉のざわめきはおさまるをしらず 遠く蒼く浮かぶ海 その漣(さざなみ)と 君よ 君よ 耳にしてはくれんか いつか君を空へ、胸にいくつもの傷負う君のなにものからも傷つけられぬよう われいつか君を空へ 君を空へと連れゆかん・・・ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015年08月07日 13時51分58秒
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