「おとうと」追記
一昨日 観た「おとうと」について追記です。かなり細かい部分までリアルな日常が描かれています。そのリアルさは、例えは悪いのですが偽札が本物に近づけば近づくほど人に認識されなくなる、という事実を思わせます。つまり、親しい親戚の家に入り込んで、そこの事情を観ているようなそんなごく普通の日常です。壮大なドラマでもないし、大事件でもない。だから「凡庸」と評されてしまったり、ハリウッドのドンパチ映画が映画だと思ってる人には「これが映画?」と思われるのかもしれません。「アバター」のうたい文句は「そこにいる」「おとうと」にも当てはまります。緻密な日常のリアリティが 3Dのような臨場感です。吉永小百合さん演じるおねえちゃんの本当の優しさ、言い古されてしまったけど、それって実際、日常に転がっているけど だーれも気が付かないまさに「アレ」です。だけど人間だけが持ってる「アレ」ですよ。「アバター」でいう「エイワ」は目に見えるけど「おとうと」の「アレ」は 目に見えない。山田監督が目に見えないものを 映画に閉じこめて私達に見せてくれてます。背中で演技する吉永さん すごいです。その背中だけでたくさんのものを教えていただいた気がします。母と並んで同じスクリーンを観て、二人で泣いてるのっておかしいね。行って良かった、観て良かったと思います。山田監督こんな映画をありがとうございました。これをドイツの映画祭がちゃん~んとわかってくれたことがとても嬉しいですね。