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なんでもすぐ忘れてしまう【わたし】のために

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2008.06.04
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テーマ:お勧めの本(7406)
カテゴリ:カテゴリ未分類
最近本を買うと怒られるので、押し入れから引っ張りだして昔読んだ本を読む事にした。
ここのところ毎日家探しなので、それに関連して

シム・フースイVersion1.0 ワタシnoイエ 荒俣宏 角川ホラー文庫 平成5年4月

新婚夫婦の新居がカビに侵され、妻はノイローゼになってしまう。更に加入すると死ぬと噂される生命保険と生命保険会社から配られる最悪の運勢チャートに夫はカウンセラーを訪ねる。カウンセラーから紹介された風水士・黒田龍人、彼は新居が最悪の風水であると診断する。また生命保険の運勢チャートプログラムを作成した田網の野望を探り当てる。日本軍がチベットから奪取した仏舎利で自らをダライラマに転生させるという。しかし仏舎利は本物ではなく、ダライラマの呪いのこめられた偽物であった。その偽の仏舎利から発生したカビがコンピュータを狂わせ、運勢チャートに付着して被保険者の周辺に繁殖し死をもたらしていたのである。

Drコパもメジャーじゃなかった時代に風水という技術を日本に紹介したのが著者である。さすが帝都の怪人・驚愕の知識といわれるだけあって、小説なのに会話や描写ではなくコラムのような箇所もあり、読んだあとに何も残らない宮部作品とは違う。
本作品の主題は風水。馴染みのない風水を日本の風習と並べることで身近なものとし、住宅を扱うことで現代の風水士の姿を提示してみせた。また日本の気候と現代(西洋)家屋の相性が悪いことを提示し、新居→新婚からカビと生命保険という関係ない2つの事象を仏舎利というオカルト色の強いもので結びつけ、身近な恐怖を飛躍させている。
仏舎利とカビというモチーフは【レックスムンディ】でキリストの遺体と未知の病原菌でも使われている。どちらも聖人の奇跡の理由をウイルスや細菌とし、それは人を祝福することもあれば呪うこともあり、力を持ちすぎた人類に脅威となるべく活動を再開する。
主人公である風水士・黒田龍人は帝都物語に登場した風水士・黒田茂丸の孫である。シム・フースイシリーズだけでなく、帝都物語にも登場する。

シムフースイシリーズは売り切れみたい
 







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最終更新日  2008.06.05 02:00:10
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