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中高年の生涯学習

中高年の生涯学習

2024.11.03
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タイトルに物騒な言葉を持って来たが、現代を生きる手段としての生物学という意味だ。最近の新聞記事でも「生物学」関連の記事が多い。しかし中身を理解するには基礎的な生物学の要点を知ってないと難しく、多くは記事をパスしてしまう。ましては50数年前に高校で「生物」を学んだはずだが、ほとんど記憶に残っていない。現代の「生物学」は50数年前の「生物学」とはまるで違っている。

 

​​つい最近の新聞記事では「今年(2024年)のノーベル化学賞はたんぱく質の設計と構造予測の研究者に決まった」と出ており、米グーグル社のゲームオタクの研究者と紹介されている。2012年には京都大学の山中伸弥博士のiPS細胞の発見がノーベル賞を授与されている。iPS細胞とは万能細胞である。素人的には何のことかさっぱりわからない。数年前から続いているコロナ騒動。これも今年から予防注射は有料になっている。コロナとは何なのか。関連する概念に免疫という言葉がある。免疫とはどういう仕組みなのか。また中高年の2人に1人がかかると言われるガン。医者に「あなたはガンです」と言われて頭が真っ白になる。数年後にはガン細胞をiPS細胞で修復することが出きるかもしれない。​​

 

​不安材料ばかり並べたが、これらの分からない事を撃破する武器が「生物学」である。いまさら「生物」と言うなかれ。植物採集や亀を追いかけまわすわけではない。いや、もちろん花の構造や亀の生態を調べることも「生物」だが、ここでは先の新聞記事の意味を読み取ることを優先する。そこでテキストだが、高校の生物の教科書と放送大学の「初歩からの生物学」、講談社のBLUE BACKS「アメリカ版大学生物学の教科書」を用意する。高校の教科書は基本的なことがまとめられている。ここでは東京書籍の「生物基礎」、これはNHK高校講座の教科書になっている。テレビでも視聴できるし、ホームぺージでの視聴もできる(NHK高校講座)。高校の教科書は先生の講義が前提になっているので、単独で読むのはかなりつらい。アメリカ版はかなり詳細な論議で、新書版なので安価に入手できるが、3巻本である。構成は第1巻、細胞生物学(細胞、代謝、光合成)、第2巻、分子遺伝学(染色体、遺伝子)、第3巻、分子生物学(情報伝達、遺伝子工学、免疫、発生と分化)。文字が小さい。図や写真はオールカラー。日本では大学院レベル。マサチューセッツ工科大学(MIT)では生物を専門としない学生にもすべてこの教科書を学ばなければならない。日本語版は1巻が300ページと浩瀚(こうかん、書物の分量が多いこと)である。3巻で900ページである。アメリカの学生はこんなものを学んでいるとは脅威である。日本語の翻訳はすばらしい。アメリカの学生に負けずにチャレンジしたいところであるが、ここでは放送大学のテキストでテレビでの視聴を行いながらテキストを読んで行く。高校の教科書も放送大学のテキストもインターネットで入手できる。放送大学は学生登録すれば、インターネットのホームページで視聴できる。​

 

​​さて「初歩からの生物学」では5章までは前ふりで、生物とは何か、その多様性と生物を学んだことのない人向けの授業である。本格的な生物学は6章の「細胞」から始まる。この授業の基本構成は、細胞などのミクロ自然の見方というマクロな視点が提供される。細胞などは眼に見えないものなので、光学顕微鏡、電子顕微鏡で観察する。テキストにはその写真が掲載されている。アメリカ版にはそれらの顕微鏡の詳細な説明が入っている。光学顕微鏡はヒトの眼の分解能の1000倍、電子顕微鏡は100万倍と出ている。​​

 

生物の体は細胞からできている。これは植物の葉の細胞と人間の体の細胞は基本的に同じ構造だということである。細胞内の分子は、水、たんぱく質、糖、脂質、核酸、イオンである。この構成は人間も大腸菌も同じである。大腸菌は原核細胞で核と言われるものがない。動物や植物は真核細胞で核がある。核の中に遺伝情報であるDNA(デオキシリボ核酸)がはいっている。DNAがあることによって人間は人間の子を産み、犬は犬の子を産む。

 

人間の体の構造に移っていく。これは生理学の範疇である。興味深いのは神経の記述である。「神経は刺激そのものを伝達することはできない。刺激の有無を電気的な信号に変換して伝達する」。なにかコンピュータの理論を読んでいる感じだ。この電気的な信号とは神経細胞(ニューロン)を伝わるナトリウムイオンの電荷である。自分の頭の中で電気が動いているとは奇妙な感じだ。

 

​生物をマクロの視点からみる枠組みが紹介される。里山歩きやハイキングなどをしている人にとって自然の見方が変わってしまう。この枠組みは4つの階層で構成される。それぞれに1章が当てられ詳しく紹介される。​

 

4つの階層とは生物の生態学的分析になる。生物の基本単位は個体である。その同じ種の集まりを個体群と規定する。その個体群が集まったものが生物群集である。その生物群集に環境を加えたものが生態系である。その地域の生態系が集まったものをランドスケープという。生物群集は鳥類、魚類、植物のそれぞれの群集に分かれる。

生態系とは陸域や水域のある範囲内に暮らす生物群集と、その生物群集を取り巻く環境を一括して捉えたシステムである。野外の生物は樹林、草原、河川、湿地、あるいは都市的環境としてビル群、住宅地、公園と様々な所で生きている。生物の中には昼間は都会の樹木に餌を求めて移動し、夜になると山地の森林にねぐらを求めるものもいる。生態系を超えて空間的広がりを捉える枠組みがランドスケープという認識である。

 

​新聞にゲノム解析で日本人の祖先が明らかになったという記事が出ていた。ゲノムとはなにか。これも生物のテキストに出ていた。古代史の探求最前線ではゲノムが使われている。生物の知識が意外な所で役に立っている。​

 

ゲノムとは生物のDNAに入っている遺伝情報のことである。詳しくは上記テキストを参照ください。






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最終更新日  2024.11.03 10:12:45
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