昼行灯

今夜も奥さんの帰りが遅い。

今日は、奥さんが食事当番だったので、帰りがけに
メールで、今日の晩御飯はどうするのか聞いたのだが
返事がない。

食べて帰ってよいものか分からなかったので、そのまま
外食はやめにして、帰ることにした。

家に帰って、しばらくすると、新聞屋のおばちゃんが
集金に来た。

ほいほい　と、新聞代を支払って、財布をみて唖然。
さ・・・　札が無い。

そう、どうやらなけなしの金を新聞屋に渡してしまった様だ。

まあ、奥さんが晩御飯を用意してくれるだろうとタカを
括ってしばらく帰りを待っていたら、ようやくメールが
入った。

「まだ帰れない、今夜は自主弁よろしく」

・・・え？、自主弁って言っても、金無いぞ。
小遣いまだもらってないし・・・。

今から作るといってもなあ(＞▽＜;; アセアセ
そう思いながら、冷蔵庫を漁る。

豆腐と、梅岩海苔の佃煮、そして、生たらこ。
結構出てきましたよ、手をかけずに食えるものが。

たらこを焼いて、豆腐は冷奴、梅岩海苔の佃煮は
豪快にご飯に乗せて、うーん、なんだか、酒のアテ
みたいなおかずになってしまった。(^◇^;)

ちょっと野菜が足らんし、塩分加え目だが、この際
背に腹は代えられん。
まあ良い、これだけあれば、ご飯二膳はいける。

いやいや、タダでさえ燃費の良い今日この頃、食べた
分だけ身につくぞ、ここは、一膳で我慢だ。
なんてことを、ぶつぶつ言いながら一人寂しく晩御飯を
とる。

そうこうしている間に、ようやく奥さんが帰って来た。
自主弁と言うから、何か食べてきたのかと思いきや
何も食べてないと言う。

なんだ、それなら二人分、何か作れば良かった。

奥さんは、結局インスタントラーメンを啜る羽目に。
「こんなに夜遅くに、ラーメンなんか食べたら、
太っちゃうかなあ」　なんて言っている。

「ま、多少体重が増えたところで、標準よりはるかに
マイナスだけどね。」

・・・えらい自信だ。(^◇^;)

なにはともあれ、遅くまで働いていた奥さんに敬意を表して
一番風呂の権利を譲り渡した、今日の私でありました。