昼行灯

今日は奥さんが食事当番。

私が早くに帰ったこともあって、奥さんは
私よりずいぶん後に帰ってきた。

で、程なく食事の支度が出来た　と
呼ばれたので、のこのこと食卓へ出てみると、
なにやら、奥さん、揚げ物を皿に盛っている

「腕によりをかけて揚げたわよ～」

にこやかにそう言い放つ奥さん。

「ん？　それにしては、上げ鍋が出てないようだし、
油のにおいもしないようだが？」

意地悪く質問すると、奥さん、ニッ　と笑って、

「手際がいいから、もう片付けちゃったのよ～」

・・・　(^^;;

そう、奥さんが揚げ物をつくったわけではない。
お惣菜を買ってきて盛り付けただけなのが、
さも自分が作ったように振舞うのが我が家の
習し。

「そうかぁ、腕によりをかけて揚げたのかぁ
それじゃきっと絶品揚げ物やねぇ」　と私が言うと

「当たり前よぉ～　揚げるの大変だったんだから～」
と奥さん。

「で、これはなんていう揚げ物？」　さらに突っ込んでみる。

「これは・・・　えーと・・・　何ちゃらのしそ巻き揚げ」

奥さん、名前が思い出せないらしい。(^^;;

「何ちゃらって、　これ、あーたが作ったんでしょが・・・」

「そうよ、私のオリジナルだから、ネーミングなんて
ないのよー」

そこまで言いきるか。(^◇^;)

兎にも角にも、奥さんが揚げたと　とことん言い切る
揚げ物の　”なんちゃらのしそ巻き揚げ”が盛ってある
皿のその横に、なぜかスーパーの値札がはってある
パックが置いてあったことは、さすがに突っ込む訳には
いかなかった、今日の私でありました。