不吉なこわい夢
こわい夢を見た。私はある男を殺したようで、天で審判を受け、処刑されることになる。2人の黒衣の男女に両脇を固められ、長い無機質な廊下を通り、処刑室に連れて行かれる。「嫌だ嫌だ!」と思うが、そのドアは開けられた。処刑室の中は、一転して木があったり、青や緑のファンタジックな色あいだがしかしやはり暗く不吉な天井の低い空間で処刑人は、少し年配の女性、傍らに少女もいた。彼女たちは殺した男の妻だかきょうだいだか、身内らしい。年配の女性は、「こんなところで、こんなことをしていてもしかたがない」と嘆いていた。私の中にあるものが芽生える。そして急にドラマや映画のように、数時間後に場面はいきなり飛んでいる。私は処刑室にひとり残されていて、先ほどの男女が迎えに来る。処刑人はいなくなっている。きっと私が殺してしまったのだろう。殺られる前に殺ったのだろう。少女ともども。処刑されても生き残ったとみなされたのか、私は解放され外に連れ出される。処刑について、処刑人について何も問い質されない。私は助かったらしい。現世へ戻る。しかし真相を知っているのか、先ほどの悪魔のような男女が、現世に戻り仰向けに横たわった私に、大きな刃のナイフで切りつけてきた。「嫌だ!怖い!やめて!」と思うが、逃げることも抵抗することもできず、胸から腹部へかけて、ざっくり大きく横3本、"Z"の字のように3回切り刻まれてしまう。ひどく痛い。苦しい。しかしそれでもなお私は生きていた。私は起き上がって街へ出てみる。身体の傷はどうなっているのかわからない。背後で、例の男女がほくそ笑み合っているのを感じる。私は人に話しかけてみる。しかし、人には私の姿は見えないらしく、通り過ぎていく。私の実体はあるのに。私は現世ではすでに死者なのだろうか。私が「しかしそれでもなお私は生きていた」と感じたものは何なのだろうか。不吉な、暗示的な、怖ろしい夢だ。