"生きてる瞬間"を刻む・・fucchiEのライブ@六本木morph-tokyo
6月19日、仕事帰り、fucchiEのライブを見に六本木のmorph-tokyoへ。1つ前に出演していたspy see jamというユニットもなかなかよくてボーカルの不思議なゆる~い雰囲気と、反対に突き抜けた歌声、私好みな微妙なマイナーのロングトーンが印象的なメロディライン、そしてパーカスのルックスとリズムと身体表現とに魅かれて、じっと聴いていた。ロビーでfucchiEがいつものように声をかけてくれた。2~3日前に熱を出し、少し風邪声だった。「ポッポッポーなんですよ」と言ってたので、もしかしてこのときも熱は下がりきっていなかったのかもしれない。しかし始まってみると、そんなことを感じさせないほどのびやかな歌声と、そしてキレのいいダンスを見せてくれた。ダンス、かっこよかった!悔しいくらいに。身体がとても変わったのは、この間のライブで感じたけれど、ダンスは久しぶりに見た。以前と全然違う。すごい進化だ。踊りながら歌うことがとても自然に見えるほど上達していた。身体の軸が見え、軸を保って歌い踊っていることがうかがえた。ぶれなさを感じた。前も踊りながら歌っていたけど、段違いの安定感だ。場数を踏んだのもあるだろうけど、これは相当鍛えたな、と思った。彼のストイックさと情熱は歌うこと、歌をつくることだけでなく、ダンスにも大いに向けられ、そして実を結んで行っていることが嬉しくもあり、同時にちょっとジェラシーも感じるほどだった。彼は、歌によりあたたかさや優しさや感動も伝えてくれるけれど、私にとってはダンスのレッスンを隣でしていたときと同じくダンスに対するパッション、軽やかさ、自由さ、ひたむきさなどの刺激をくれる存在でもある。踊る情熱。リズムにのること。身体を最大限使って空間に軌跡を描くこと。バックダンサーをしたがえてのライブはこれで最後、と聞いていた。彼はどこへ、どこまで行くだろう。しかしまた、新しいダンスやステージの世界がひらけていくのかもしれない。途中、高音が出にくくなり、見ていてハラハラする瞬間があった。しかしなんとか持ちこたえ、そのこともあってか、「諦めちゃダメですよ」と笑いながらの突然のメッセージが歌の間奏に差し挟まれた。ほんとに。諦めちゃいけない。そんなことをリアルに感じさせた。fucchiEも体調のことやいくつかのハプニングがあったにも関わらず、最後までテンションを下げずに、エネルギッシュかつ丁寧にステージを創り上げていた。決して諦めない、真摯な姿が、そこにあった。「シュプール」を聴きながら泣いている女の子がいた。fucchiEも気づき、彼女をときどき見守りながら歌っているように見えた。彼女は途中で退場し、その後のことは私は知らない。直接的には泣く曲ではないのに泣けてしまうのは特別な思い入れや理由があるのかもしれないけれど、あるいは理由なく泣けてしまったのかもしれない。私も想いがいっぱいになって、その姿を見ているだけで、声を聴いているだけで泣けてしまうことがあるから。あれは何なのだろう。胸がいっぱいになってしまうこと。それこそ本当にfucchiEの言う"温度"が伝わっている証拠なのだろうか。"生きて、在ること"、この瞬間に立ち会っていること。その不思議さと、"それだけでいいんだ"という生への了解。そんなものに触れると、幸福感や悦びや優しさや感謝の気持ちをはらみつつも、それらのものと紙一重の"哀しみ"の震えがやってくる。それはある意味、死への予感かもしれない。生への了解は、死への了解でもあるから。生への愛惜、愛するものへの愛惜、かもしれない。やがて失われるもの。しかし、今この瞬間生き生きと立ち上がってくるもの。その2つの相克。始まる前の静寂。「星屑の風」や「テノヒラノハナ」をソロで歌うfucchiE。シルエットで魅せる、かっこいいダンス!"opening"はダンサー4人とともにクールに。それから、"widhing on my shooting star"をダンスつきで歌った。この曲は大好きで、初めてステージで見れたので嬉しかった。出会いと別れをテーマに・・・「シュプール」や「サクラサク。」を奏でる。ラスト、「向日葵」fucchiE、ピアノのMakiさん、ダンサーのみなさん、お疲れさまでした。すてきなライブをありがとう。ところで・・・・TV東京系「匠の肖像」という番組の前後、スポンサーであるシチズンのCMでfucchiEの歌声が流れてます。私は先週初めて聞くことができて感激♪fucchiE/「M.E.」(発売日:2007年12月24日)ぜひ彼のサウンドと歌声に触れてみて下さい。fucchiE/Four Seasons 7 Colors(発売日:2007年07月29日)こちらもおすすめです!