走墨作品展のための作品づくり・2
金曜日、仕事を終え夕食後、夜11時頃から走墨の自由作品に取り組んだ。朝6時くらいまでやった。お風呂に入って寝たのが朝7時。2時間だけ寝て、翌土曜日、先生に作品を見せに行った。しかし根本的に方向性がダメで、やり直しだった。その場で改めて指導を受け、書いたが、納得するまでは行かず、さらに課題を指摘された。いったん家に戻り、簡単に昼食を取ってから午後、時間ぎりぎりまで書いた。とにかく書いた。これまで先生とのやり取りや指導の中でいろんな変遷があった。象形から発した文字、その文字という記号からいったん具象的な方向へ向かい、そしてその後あらためて抽象へ向かった。銀彩やしぶきのテクニックなど、あしらっていたものを先生からは「無いほうがいい」ときっぱりアドバイスされて、シンプルな1色の墨の、1文字だけの勝負になった。最後はあまり作為を考えすぎずに線を追っていたように思う。画仙紙の上をはうように書いていた。本当に最後はもう疲れて、わけわからなくなってしまった。とうてい納得は行かなかったが、もう提出期限の時間も迫っていたのでたくさん書いた中から10枚選び、また教室に戻って先生に見ていただいた。そしてようやくその中の1枚に決まった。私もその中では一番いいと思っていた1枚だった。ベテランの生徒さんでも「もう一度書いてきなさい」と返された方もいたので、一応私のいる段階ではある水準に達したと見なされたのだろうか。それは喜ぶこととしよう。いろんな方が提出に訪れたが、ブログでも交流させていただいているsakuraさんが素晴らしい出来の作品を持ってきた。久しぶりにお会いできて嬉しかったのもあるけれど、作品が何しろ素晴らしかったので、それが嬉しかった。エネルギーを注いで取り組んできたことが伺える作品だった。とても刺激になった。sakuraさんは「100枚くらい書いた」とおっしゃっていて私も自由作品についてはちょうど100枚くらい書いたので、そんなことも戦友のような共感を覚え、嬉しかった。先生の片付けを手伝ったりしながら、額装のことを相談したところ、今回初めてお軸にすることになった。どんな仕上がりになるのか、とてもわくわくする。無事自由作品を提出し、解放された気分で帰途についた。寝不足で頭はぼーっとしているのに、目は冴えて晴れた、遅い午後の風景がどっと流れ込んでくるのを広角レンズのように受け止める。世界はとても鮮やかで美しかった。空、雲、木々、光、草、風、街並み、みんなみんな輝きに満ち、美しかった。この上ない幸福を味わった。