今年は哲学の本を
今年は月に1冊、哲学の本を読もうと思っている。昨年読んだ木田元先生の「反哲学史」が非常に面白かった。哲学という名の山々の稜線を、鉄筆の鋭いエッジでぴーっとクリアに描き出したかのような明瞭さ、爽快感があり、西洋哲学史の流れが改めて新鮮に立ち現れてきた。やはりライフワークとして哲学には触れていたいなあと思った。あまり難しい本は読めないし、おととしから少しずつ読んでいる仏教や禅の本をはじめ、ちょっと範囲を広げて心理学や美学などの類もOKということにして。手始めに今月は、岩波文庫のニーチェ「ツァラトゥストラはこう言った」の上巻を読んでいる。解説本は何度か読んで、ツァラトゥストラを読むのはずっと憧れだった。上巻は詩情にもあふれた文章で、想像力や詩を書きたい気持ちを喚起させられる。下巻になると永劫回帰の思想が突きつけられてもう少し重苦しくなるだろう。月に1冊ずつ、という目標をクリアできるよう、しかし楽しみながら努めよう。