モン・サン・ミッシェル~その2
3月8日、モン・サン・ミッシェルのレポートの続きです。聖堂を出ると、思いがけずこぢんまりとした小さな中庭に出ます。その周りには修道士たちが瞑想するための回廊がめぐらされています。時が止まったかのような印象を与える静けさ。光と影。薄暗い回廊からは中庭の緑がまばゆく見えます。柱には細かく華麗な紋様の彫刻がほどこされています。食堂のほうから回廊をのぞく。中庭の隣には修道士たちの食堂がありました。ひとりの修道士が朗読する中で、沈黙のうちに食事をするのだそうです。食堂の両壁には59の細い窓が。礼拝堂のステンドグラス。見学順路の途中にある小さなテラスから外を見晴らしました。光る海。今は引き潮のため、川のように見えます。亡くなった人の遺骨を納める納骨堂も建物内にありました。その薄暗い壕にも、小さな窓から光が差し込みます。窓辺に鳩が巣くっています。病院が併設された、死者のためのチャペル。通路の向こうには奴隷たちが食物を運ぶために回していた大車輪が垣間見れます。労働の場、病院、弔場、納骨堂、それらがすべて隣り合っています。チャペルの台座には"AΩ"と彫られています。英語で言えば"AZ(始まりから終わりまで)"、つまり正に"人の生から死までのすべて"を表していると言えます。"騎士の間"。修道士たちの仕事の場です。ゴシック様式の円柱がリズミカルに立ち並んでいます。"騎士の間"のステンドグラス。やわらかな緑の光。修道院の見学を終え、海のほうに下りてきてひと休み。ガブリエル塔。今は灯台の役割を果たしているそうです。ふもとから修道院を見上げて。修道院内の見学は時間の迷路にはまり込んだような、素晴らしいミニ・トリップでした。この日は対岸のホテルに泊まりました。夜のライトアップされたモン・サン・ミッシェルも見に行ったのですが、ほのかな灯りだったのでうまく撮影できず、また非情なくらいの寒さだったので、途中で断念して戻ってきました。次は朝もやの中のモン・サン・ミッシェルの写真をアップします!