タイムズスクエア、そして3.11
3月8日、NY滞在6日目。42ストリート駅のリヒテンシュタインの壁画。タイムズスクエアにはミュージカルの大看板がいっぱい。クライスラービル。グランドセントラル駅に立ち寄った。豪華な内装の駅で、天井には星座図が描かれ、まるでプラネタリウムのよう。夜のタイムズスクエアは光の洪水!tktsでチケットを買い、ブロードウェイミュージカル"Chicago"を見た。会場はアンバサダー劇場。かっこよかった!懐かしいフォッシーの振り付け、独特の世界。ダンサーはもちろん、バンドの女性コンダクターもかっこよかった。コンダクターも芝居にからんだりするのは映画では決して味わえない面白さだ。フリーで観光を楽しんだのもこの日まで。9日、10日の2日間はNYでのブックフェアの搬出や集計や梱包などの作業があり、メンバーで分担して作業を行った。NY在住のメンバーとも交流しながらだったので、いろいろと刺激を受けることも多かった。ブックフェアのことがすべて終わり、本当にほっとした。昨年11月のオリエンテーションから始まり、1月の新宿でのブックフェア、絵本の作り直しや英訳、NYツアーの準備、その間に5月の走墨作品展の作品づくりもあって慌しくきつい日々が続いていた。帰国したら少しほっとできる時間がとれるだろうと思うと嬉しかった。しかしアメリカを発つ3月11日早朝、1本の電話でその安堵感も吹き飛んだ。日本で大地震が起き、成田空港は封鎖され、帰りの便が欠航となったと告げられた。それでもとにかく予定通りケネディ空港に向かった。空港のテレビでも日本の津波と福島原発の映像がずっと流れ続けていた。信じられないようなすさまじい光景に食い入るように、見入った。飛行機は何とか飛んだものの、本当に成田に降りられるかわからない。キャビンアテンダントによると、北海道の千歳空港に着陸した便もあるという。また、成田に辿り着けても周辺の交通機関は全てストップしていると聞いた。仙台上空を通るとき、機長から「前方に黒煙が上がっています」との放送があった。幾筋もの細い白い煙と、そして港付近だろうか、大きな大きな黒煙が立ち上るのを空から見た。ただただ、見た。