佐伯祐三展
3月末の東京駅。佐伯祐三展を見に行きました。東京ステーションギャラリーのエントランス。佐伯祐三の作品世界と雰囲気が合ってるなあ。東京では18年ぶりの回顧展、と書いてありだいぶ前に練馬区美術館で見たのがあれがもう18年前?と思い返しました。今回ポスターにもなっている「郵便配達夫」やパリの街の風景画たちに、当時心躍った記憶があります。今回の作品群の中では東京時代のものでは「ガード風景」「雪景色」パリ時代のものでは「工場」2作品、本当に終末期の「扉」などに心惹かれました。特に「扉」はわずかにグリーンがかったネイビーブルーの扉の色が美しい・・ゆがめて描いてあるのに扉の装飾の立体感も、がさがさした質感もはっとするほどリアルに感じられ印象的でした。扉が少しだけ開いて向こうの暗がりが垣間見えていて・・闇に引き寄せられるような気分になります。駆り立てられるように描き続け、燃焼し続けた画家―30年というのは短すぎるけど、これだけの作品を残したのはやはり常人以上の濃い人生だったのだろうと思えます。