東京都現代美術館
先月のことになりますが、初めて東京都現代美術館に行ってきました。10年以上前にニューヨークでのアート活動でご一緒した千葉和成さんから「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」の案内を頂きました。精神科医、高橋龍太郎による最大級の日本の現代美術コレクション、とのこと。その展覧会に千葉さんの作品も展示されており、これは見に行かなくては!と楽しみにしてました。千葉さんの個展も素晴らしかったですが→千葉和成さんの個展「ダンテ『神曲』現代解釈集」今回は草間彌生、村上隆、山口晃、会田誠、奈良美智など著名な現代美術家たちと共に千葉さんの作品が展示されていること、素晴らしいなあ・・!賞賛の気持ちでいっぱい!私まで勝手に誇らしい気持ちになってしまいます。木場駅に降り立ち、木場公園を通っていきます。遠くにスカイツリーが見えます。木場公園大橋を渡ると・・公園の一番奥に東京都現代美術館が現れました。ロビー。展示の冒頭には草間彌生さんの作品が多く展示されていました。写真撮影はNGでした。これまでメディアなどで見た草間彌生さんご本人は魅力的な面白い方だな~と思いながらも作品自体は私にとっては苦手な感じで、食わず嫌いしてました。しかし今回、直に作品群を見て印象が変わりました。すごい感性だなあ!その精神性がこちらにまっすぐくる感じがありました。今度草間彌生美術館へも行ってみたくなりました。西尾康之「Crash セイラ・マス」、巨大・・なんか怖いです・・下に鏡がついていて内臓まで見えるのがより怖い・・こちらの作品は↓黄色と青のコントラストが目立ち、丸っこくてユーモラス♪・・と思ったら、これは放射能や有毒ガスから身を護る防護服がモチーフとなっておりそのギャップが印象的でした。奈良美智さんの作品たちに癒されます・・「Green Mountain 2003」「Untitled」死のイメージの作品たち・・目が吸い寄せられます。千葉和成さんのライフワークとなっている作品群、「ダンテ「神曲」現代解釈集-地獄篤」は、特別なひと部屋全部を使って展示されていました。現代社会のさまざまな事件や出来事を地獄として表現しています。残虐な表現も一部ある旨、注意書きが入口にあり、写真撮影もNGです。千葉テイストがぎゅっと凝縮された緊密な空間となっていました。みなさん息をのむように見入っていました。私にとってはなじみ深い作品たちですが、やはり何度見ても圧倒されます。1枚描くだけでも相当な熱量ですが、それが連作で何枚も何枚も・・・魂ごと作品と一体となって地獄に自分を埋めるほどの覚悟で描いているんだろうか・・千葉さんの福島原発のジオラマ作品も見たかったなあと思っていたら、東日本大震災をテーマとした地下の展示室にありました!「ダンテ「神曲」現代解釈集」地獄篤4-6圏 福島第一原子力発電所ジオラマもう本当に1つ1つ細かくて見入ってしまいます。震災がテーマの、他の方々の作品が続きます。三瀬夏之介「Exchangeability」、和紙の大きな立体作品です。表から裏から斜め横から、いろんな角度で見ました。震災による理不尽さを表現しているようなのですが、作品の素晴らしさにため息をつき憧れてしまいます。吹き抜けの天井のたかーい展示室に、皮をつぎはぎした巨大な絵画作品が。圧巻!!鴻池朋子「皮緞帳」左の、小谷元彦「サーフ・エンジェル」はサモトラケのニケみたい!鈴木ヒラク「Constellation」、宇宙を感じられる魅力的な作品。星座という意味でした。制作当時89歳(!)のアーティスト、篠原有司男によるボクシング・ペインティング。スポンジを巻きつけたグローブに絵具を浸し、画面に何度もパンチして即興的に創り上げた作品・・パワー炸裂!90代の現在も活躍されているそうです。最後の最後に里見勝蔵。時代が一気に前へ戻った印象で不思議な感じがしました。でも石に顔を描いてるなんて、面白い♪興味深い。展示室から出て、ミュージアムショップ横の別室にも作品が展示されていました。クリスタルなライオンが迫力あります。名和晃平「PixCell-Lion」、奥には蜷川実花さんの写真コラージュ作品。予想以上のボリュームと興味深い内容で、時間を忘れて見て回りました。見終わったとき、「あれ?なんだっけ?」とその日の予定を忘れてるほどの没入感!充実した展覧会でした。案内を送ってくれた千葉さん、ありがとうございました。こちらの展覧会は2024年11月10日までです。