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Atelier Mashenka

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2007.11.05
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カテゴリ:アート

走墨で一緒のクラスのHさんからチケットをいただき、
会社帰りに日本橋高島屋へ「20世紀書壇の巨匠 村上三島展」を見に行った。
書だけの展覧会は初めてかもしれない。
文化勲章まで受賞された村上三島(さんとう)という名前さえ知らなかった。


中国風の書はとても力強く、男性的。
時にちょっといかめしい。
私は少しやわらかさのある作品のほうが好きだった。

それから、良寛風というのだろうか、文字をかなり省略して
弾むような点で多く書かれているものもよかった。
抽象的に見える。空間と点と線。
それらが素晴らしく呼応し、驚きと喜ばしさを感じさせる。


彼は幼いころにカリエスに冒され、普通に歩くことができなかった。
書の道に入り、紙の上で彼の筆は彼の足となり、
歩き、走り、飛び跳ねたことだろう。

しかし自由奔放に、というよりは
中国の多くの書体をマスターし、自在に書体を操って
さまざまな作風の作品をきっちり書き上げる姿勢は、
かなり几帳面で学究的に感じられる。


20万枚書かなければならない、という村上氏の言葉があった。
ある作品などは2ヶ月で3000枚書いて仕上げたという。
1日約50枚だ。
しかも畳よりも長い、大きな紙だ。

私などととても比べることはできないけれど、
私も大きく長い紙に漢詩を書く課題が出たときは、
1枚書くのに30分はかかっていた。
しかも集中するからどっと疲れが出る。

それを思い出すと、あの数倍の大きさの紙で
1日50枚ずつ2ヶ月書き続けるなんて、想像を絶する。
なんというパワーと躍動だろう。ひ弱ではできない。

村上氏の、書にまみれ、書に自己を埋没させるようなすさまじさを感じ、
言葉が出ない。


今回の展覧会のタイトルには
"『書くことは生きること』~風格の書を求め続けた生涯~"
というサブタイトルがついている。

「書くことは生きること」・・・正にそのように生きたのだろう。
まじりけのない言葉だけに、すさまじさを垣間見ただけに、
この言葉はずっしり重く感じられ、
自分に対してこの言葉を投げかけながら、会場を後にした。


村上三島記念館というところがあるようだ。
四国へ行く機会があったら寄ってみるのもいいなあ。






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Last updated  2007.12.21 01:08:23
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