カテゴリ:アート
ひつまぶし&コメダのあと、Shihoさんのリクエストもあり、 名古屋市美術館にて、 ドイツ ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館蔵 「20世紀のはじまり~ピカソとクレーの生きた時代展」を見た。 ジョージ・グロス「恋わずらい」 グロテスクな男。しなだれた手、静脈が浮き出た手。 失恋の痛手をアルコールと麻薬でまぎらわせている図で、 当時の享楽的な風潮を批判するニュアンスもあるらしいのだが、 奥のほうにいる骸骨のような男の存在によって 私にとっては死の気配のほうをより強く感じる。 足元には怒りの目をこちらに向ける犬。 ピカソが6点あった。 ピカソ「鏡の前の女」 「鏡の前の女」は珍しく低い視点からの構図だと思った。 女の、どっしりした腰。あぐらをかく姿。 色もおだやかで安定感を感じさせる。 クレーがけっこうな数、まとまってあった。 クレー「異国風の響き」 優しく、てらいのない線。 包み込むような気配を感じさせる造形。 ただ在るだけでいい、そんなメッセージすら感じる。 淡く穏やかな水色、草色、ターコイズ、クリーム色。 色と線のハーモニーが心地よい。 クレー「再構成」 夢の中のよう。淡い黄、赤。 太陽、支柱、階段、四角や三角などの幾何学模様、×印。 それらが画面にあちこちに浮かぶ。 じんわり日が差し、照らし、白昼夢を見ているよう。 どこか異国からのとぎれとぎれの信号のよう。 憧れの場所のようでもあり、どこかへ行きたい、とも思わせる。 今回、ひどく心ひかれ、一番じっくり見た作品だ。 クレー「赤と白の丸屋根」 チュニジアの建物の屋根、円い屋根。そして壁。 心地いい色彩のキューブ。 茶、レンガ色などの暖色、そのグラデーションに塗り込められた喜び。 秘密を見つけたときのような喜び。 シュール・レアリズムの作品群。 久々にマグリットなどを見た。 イヴ・タンギーという初めて見る画家の作品に興味がわいた。 イヴ・タンギー「暗い庭」 庭と言っても海のようだ。 暗い果てしない絶望的な海に見てしまった幻影。 不可思議な物体がにょきにょき生えている。 そして溺れているような人物。 プロフィールを見ると、やはり乗船員だったそうだ。 この後、常設展を堪能した。常設展の感想はこちら。 最近なかなか美術展をゆっくり見に行くことができずにいたけれど 思いがけず、ShihoさんやHちゃんと一緒に、しかもお気に入りの美術館で 美術展を見ることができて、とっても満足。 心に栄養をもらえた感じ。 外に出ると夕映えが美しく、しばしぼーっと眺めた。 そして公園の落ち葉をかさかさ踏みながら(この音が私は大好き!) 美術館を後にした。 幸せな秋の午後だったな・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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