緋色の時代 上下 船戸与一
なんとまあ簡単に人が死ぬこと。私は平和惚けなのかしらないが、前に読んだ「クロスファイア」と生死に対する考え方がこれだけ違うと何か無常を感じて読む速度も落ちるというものである。旧ソ連のお話である。あの国がどうなって行きつつあるのかゴルバチョフ以後日本人は余り興味を示さないようである。社会主義の祖国も今は張り子の虎で面白くも可笑しくもないようである。しかし世界で一番か二番と言われた軍備力は何処へ行ったのか、それくらいの興味は持ってもよい。今、ソ連の経済力はマフィアの統制下にある。マフィアと言ってもイタリアマフィアではなく、アフガニーマフィア-アフガニスタン引き揚げ軍からなるマフィアの統制下にある。これがまた簡単ではなくて各都市で様々で、今のロシアを昔のソ連と考えたら大間違い。4島返還なんどまともにぶち当たってもまず駄目で、問題解決能力なんか今の首脳部に有るわけがない。昔アフガニスタンで助け合った戦友達がロシアのエカテリンブルグに集い敵と戦う。