ドッグ レース 内山安雄
銀行員の福沢は驚いた。昨日のパーティの相手の同僚の朋子が死んでいるのだ。しかもこちらは中小企業の旦那4人のグループである。朋子というのがいいタマで銀行のお局さまのくせにキャバクラでも稼いでいるという女で、そこの弱みにつけ込まれて親爺のセックスパーティの相手をさせられた訳である。慌てた5人組はその死体を気の弱い園芸業の用山に埋めてしまう。 翌日銀行へ行ってさらに驚いた。朋子は想像しているような殊勝な女ではなかった。60歳から80歳までの年寄りばかりから1億7千万もの金を色仕掛けで掻き集め、タイにトンズラ寸前だったということがわかる。 とまあこんなお話です。現実味はたっぷりあります。今の日本人が感じているようにいいとこは中国人がみんな持ってかれやしないかというコンプレックスも十分に満たしてくれます。因みにドッグレースとは空中戦のことのようです。 考えてみると前の作品は66年のものでした。これは01年の作品です。35年の差を感じますね。