茄子煮話 其の四 炊き方No,2
茄子の下揚げ茄子の皮目に切込みを入れるのは、揚げているときに皮が弾けない為です。危険ですから、必ずしてください。3cm位の切込みをランダムに、3ヶ所くらいもちろん、皮だけを切るくらいのつもりで。普通、縦や、鹿の子にと、きちんと包丁するレシピが多いですが、この茄子煮の場合、炊いている間に崩れてしまいます。だから、3ヶ所くらいが良いんです。170℃位の油で、下揚げをしていきます。茄子の皮は、揚げることで、綺麗な色を保ちますが、油に面していない部分は、茶色くなって、著しく味が落ちます。だから、浮いてくる茄子をしっかりと油の中に沈めるか、引っ切り無しにクルクルと返してやる必要があります。茄子をあらかじめ、包丁して(切って)から揚げる事も出来ますが、油を吸い過ぎてしまう、という失敗が多くなるので、帰って難しくなります。今は、油使用後の処理の面倒を思い、家庭では揚げ物をあまりしなくなりました。ましてや、下揚げの為だけに油を使い、しかも、揚げ方も少々困難、となると、この時点で、断念する方も、多いかもしれません。そして、難しいのは火の通り加減です。(まだあるんかぃ!)はい、そうなんです。茄子の中心に、火が通った瞬間!! に取り出し、水に取ります。火が通り過ぎると炊いているときに、くしゃくしゃになりもっと厄介なのは、生の部分が残っているとそこにアクが出て、これもまた、著しく味が落ちます。上の写真が、丸ごと茄子を揚げて適宜に包丁したものです。火の通り加減が良いとアクも出ず、ちょうど水分が飽和した状態なので、繊維が生きているのです。そう、“この繊維が生きている状態“が大切なんです。ごちゃごちゃと、能書きを垂れてきましたが、下揚げがこのように出来れば、もう、90%成功したようなものですよ。後は炊くのみ!明日は いよいよ仕上げです。民芸日本料理まっさん 料理長の料理の話まっさんのホームページはこちら