それは心に映る。(その3)
(・・その2から続く)今日の夕食は、今回のミラコスタ宿泊を伴うディズニーシー滞在を締めくくる最後の食事となります。宿泊して舞浜を去る直前の食事はなるべく洋食以外にしておこう という いつの頃からか何となくそう決まってしまった私達の習慣に従って、今回もホテルミラコスタ内の「シルクロードガーデン」にPS予約を入れてありました。歩いてミラコスタまで戻る途中、夫は心配そうに 食欲出てきた?シルクロードガーデンに行って何か食べられそう? と私に聞きました。ショーを待つ数時間をゆったりのんびり静かに過ごし、期待していた以上に楽しかったショーで気持ちを明るくしてもらったおかげで、私は体調がすぐれないなりにも ちょっとおなかがすいてきたかな~ という感じになっていたので、 「大丈夫。コースは無理かもしれないけど何かは食べたい気分になってきたよ。」と答えました。すると夫は安心したようで、 「じゃあとりあえずお店に行こう。シルクロードガーデンの料理は身体に良さそうだし、メュー見たら今よりももっと食欲出てくるかもしれないよ!」と笑いました。火山の中を通り抜けてメディテレーニアンハーバーに出て、ザンビーニブラザーズリストランテの方へ緩やかなカーブを下っていくと、途中の石壁の前でゲストの皆さんが立ち止まって壁面に何かを探している光景に今日も出会いました。その様子を見ていたら、私は 自分が今まで見つけて一番驚いたシーのピクニックエリア(園外)に存在する「隠れミッキー」のことをふいに思い出しました。で、夫にすぐにそのことを話すと 夫ったら 「・・・え? それ何だっけ?・・・忘れちゃった 憶えてない・・・」なんて言うのです。なので 私は夫をディズニーシーのゲートの外まで引っ張って行って、ふたりでパークエントランス・ノース(ホテルミラコスタ側)のそばにあるピクニックエリアの「隠れミッキー」を確認しに行きました。(ここの「隠れミッキー」、実はあんまり隠れていない かなり「はっきりしたミッキー」です。詳しく知りたい方は 2年ほど前のこちらの日記 の最後の方で少し触れていますので、よろしければ読んでみてくださいね。)近くまで行くと夫はすぐに思い出して 壁の中からその「ミッキー」を見つけ出し、さっきまであまり元気がなかったというのに急に得意げになった(らしい)私を見て、「元気出てきたじゃん。良かったね~。」とまたまた笑いました。さて、忘れん坊の夫のせいでとんだ回り道をした私達は、予約していた時刻をやや過ぎてシルクロードガーデンに到着しました。時刻は18:00過ぎ。リゾート内での夕食にはまだ早過ぎたからか、店内はとても落ち着いていて静かでした。キャストさんが丁寧な説明のあとテーブルに置いていってくださったメニューを隅から隅までよーく見ながら小さな声でお料理の名前をひとつひとつ読み上げていたら、不思議なことに さっき夫が言っていたとおりに私はどんどんおなかが空いてきました。そして結局、美味しい物を少しずつゆっくり食べられそうな「ミッキーとダッフィーのスプリングヴォヤッジ」のディナーコースを注文することに決めました。ゲストが少なかったこともあってか、キャストさんはテーブルにお料理を運んできてくださると必ず食材やお料理について詳しく説明をしてくださったので、とても楽しい食事になりました。こちらは前菜。舟形の器の盛り合わせは一品一品ものすごく手がかけられていました。もしも今夜も宿泊することになっていたら、絶対にアルコールが欲しかったところです。左側の小さな器の中身は「レモンパイ」風のつくりになっていて、私達はキャストさんの説明を聞いて初めて この「レモンパイ」というのがミッキーマウスの好物だということを知りましたよ。(不勉強ですみません。)こちらはデザート。クランベリーのムースを紹介してくださる時に、男性キャストさんが「実はシェリーメイちゃんがクランベリーが大好物だということで・・・」とおっしゃったので、私達夫婦はそれを聞いて「えー!! 知らなかったー!」と 静かなシルクロードガーデン中に響き渡るような声をあげてしまいましたよー。(ごめんなさい・・)「シェリーメイちゃんがクランベリー好き」なのはファンの方々の間では常識とのことですが私達は本当に今まで知らなくて、アメリカンウォーターフロントに「クランベリーポップコーン」が登場した理由もそれなのか・・と 今日初めて納得しました。キャストさんも「私もこのエピソードは今回のこのイベントのメニューで初めて知りました」と笑っていらっしゃいましたよ。ちなみに、5月16日から3つの店舗ともイベントのコースメニューは内容が変わるそうですが、5月16日からのシルクロードガーデンのディナーコースのデザートには今度は「ダッフィーの大好物」に因んだ物が登場するそうですよ~。美味しいお料理と、イベントらしい意表をついたメニューを楽しく(その上ホテルのレストランらしく節度を持って)紹介してくださったキャストさん達のサービスで、私は食事を終える頃には随分元気になっていました。嬉しかったり、面白かったり、興味深かったり、感心したりすると、人は自然と笑顔になってしまうものです。思わぬ体調不良で少し寂しい気持ちにもなった今日でしたが、一日の最後に訪れて食事した場所がこのシルクロードガーデンで良かった と、私は心からそう思いました。シルクロードガーデンでコース料理を注文したので お隣「オチェーアノ」のテラスから水上ショーを鑑賞することもできたのですが、ハーバーで今夜の「ファンタズミック!」が始まる20:00頃には 私達はお店を出ました。そして「ホテル&パーク・ゲートウェイ」からシーに入園し、ホテル前の広場ピアッツァトポリーノの端っこで たくさんのゲストの皆さんの頭越しに今夜の「ファンタズミック!」を眺めました。昨夜 部屋の窓から素晴らしいファンタズミック!を2回も観たので、今夜はもうこれでじゅうぶんでした。その後はザンビーニブラザーズリストランテ方向まで歩き、スチーマーライン乗り場の先の火山の麓で20:30の花火を観ました。ホテルミラコスタのベルデスクに立ち寄って 出発のために荷物の準備をお願いしたのは20:45頃でした。世間で言うところの「ゴールデンウィーク前半の三連休」も今日で終わり。この時間のミラコスタのロビーは意外にも落ち着いていて、混雑も慌しさもなく、連休最終日の夜の甘いけだるさだけが微かに漂っているようでした。駐車場から正面玄関に車を回し、ドアキャストさんに荷物を積み込んでいただいてホテルミラコスタにさよならを言ったのは21:00くらいだったと思います。今日もまた ドアキャストさんは私達の視界からその姿が消えるまで 大きく手を振り続けてくださっていました。首都高速道路舞浜入口を入るとすぐ 左側には東京ディズニーリゾートの夜景が広がってきました。夫は 安全運転で帰るから眠ってていいよ と言いました。 あっという間に左後方に去っていく見慣れた夜景を目で追って、私はぼんやりと思いました。・・・おかしいなあつい数時間前まで 私あんなに心身ともに弱ってたのに。 今日一日を楽しく過ごしたい いつもよりもちょっとだけ幸せになりたい 誰かに喜んでもらいたい たくさんの笑顔が見たいそんな思いを持つ人たちが この場所には毎日たくさん集まってきます。遊びに来る人も働く人も、みんな限りなくプラス方向を指し示す感情を抱きながらこの場所で同じ時間を過ごしているのです。そのプラスな感情が生み出す「気」は きっとこの地の空気の成分に作用して、そしてそれを吸い込んだ私達の心を気付かぬうちに柔軟に素直にしてくれるのでしょう。形あるものが様変わりしても、名前が一新されて世代が移り変わっても、この地の空気の成分だけは大きく変わることがないように・・・まる二日、いつもよりも私を快活にしてくれていた舞浜の空気をもう一度吸い込むように深呼吸して、私は助手席のシートを倒して 目を閉じました。 (完)* シルクロードガーデン の “ミッキーとダッフィーのスプリングヴォヤッジ”ディナーコース *・前菜の盛り合わせ ・干し貝柱とサフランのスープ ・鰆の腐乳蒸しと香菜の葱生姜蒸し 豆苗添え ・伊勢海老の桜ソース 車海老と旬野菜の炒め ・牛頬肉のブラウンソース 温野菜添え ・蟹肉の炒飯 ジェノヴァペースト入り卵白あんかけ ・クランベリームース 杏露酒ゼリー フレッシュフルーツ添え ・・・・・・・・2012年4月3日~5月15日◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 文中に登場する、ディズニーリゾート内の固有名詞(ホテル・レストラン・ショップ・場所などの呼び名)については「東京ディズニーリゾート」の公式サイトをあわせてご覧いただくと、いくらかイメージしやすいか、と思います。また、「東京ディズニーシー」内の固有名詞については、公式サイト内の こちら から検索することもできます。利用なさってみてください。◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇