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2005/11/30
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 いつの頃からか東京読売巨人軍が大嫌いである。
 日本ハムファイターズのファンとしては、「日ハムはドームから出て行け」といい続け、ついに北海道に追いやった渡辺オーナーの尊大な態度や、去年の中村紀洋を獲得しようとしたときの渡辺オーナーの野卑な言動、原前監督の解任のときの三山球団社長のあまりに人をバカにした傲慢さなど、ジャイアンツのおごりを見ると頭にくる。 
 今年の上原の代理人騒動でも、渡辺オーナーは、
「巨人にはくだらん代理人を連れてくるやつはいないだろう。連れてきたら、おれが球団代表に給料をカットしろ、と言う」
「それで、五千万、六千万円増えると思ったら、大間違いだ。二千万、三千万円下がるだけだ。嫌なら、自由契約だ。うちに入りたいやつはいくらでもいる」
 とルール上認められている代理人制度を否定し、結果的にインチキのような言い訳で切り抜けてみせました。
 三山球団社長は、江川卓の巨人入団に際しての「空白の一日」という野球のルールのスキ間をついたアンフェアな策略で渡辺オーナーに気に入られたという人物ですので、やはりどこまでいっても姑息なようです。
 ほかにも嫌いな理由をあげればいくらでもあるのだが、要するにカネで選手集めて勝ったらそれでいいのかとか、選手の集め方にポリシーがないだろうとか、スポーツ新聞を読めば書いてあるような理由からである。

 今日は、ジャイアンツの歴史の中でもっとも忌まわしき事件として、タブー視されている「湯口事件」について。

 岐阜短大付属高校の湯口敏彦投手は、甲子園で活躍をして1970年のドラフトで巨人に1位指名される。
 おとなしい性格で周囲からはプロでやっていけるのかと心配されていたが、やはり『あの巨人からドラフト1位で指名された』という興奮にはあらがえずに、入団した。
 背番号は、19。
 湯口に対する期待の大きさがわかる。

 ストレートの伸びには光るものがあったが、コントロールに難があり、二軍で練習の日が続く。その後も練習過多と肘の故障でなかなか一軍にあがることができず、やがて練習のほかに深夜まで精神修養のため座禅を組まされるなど、気を抜くことのできない毎日が続く。
 そして、入団してから二年が過ぎたシーズンオフ、湯口に異変が起きた。
 テレビの画面に海の場面が出てくると、その波に異常におびえたり、外の物音に過剰に反応したりしたという。そして夜は一睡もせず朝まで宿舎内をうろついていたという。
 うつ病と診断され、入院したが、ジャイアンツは表向きには風邪をこじらせたとし真実を隠していた。
 オフが終わり、キャンプが始まると、湯口の姿が消えたことをマスコミが不審がるようになった。報道陣に対して、一度は偽装的に退院させて、宮崎キャンプに合流させ「なんてことない風邪ですよ」とごまかしたが、一目見てわかるほどに湯口の精神状態は不安定で、奇行などによりわずか1日で強制的に病院に帰された。
 湯口はキャンプ地の宮崎から東京に降り立つと、羽田空港で突然奇声を上げて暴れだし、空港警備隊に取り押さえられ、そのまま再入院。
 ジャイアンツが報道陣に対して箝口令を敷く中、わずかその1カ月後に精神病院で急死した。

 くわしくは、プロ野球考古学のサイトを見てください。

 湯口投手の葬儀には読売関係者は数人しか参列していない。
 大半の関係者は、弔電という簡単な方法で自分の責務を逃れた。
 川上監督も中尾二軍監督も葬儀には参列していないが、川上のコメントが残っている。
 人格者、野球の神様などと呼ばれている人物の発言だが、この発言を見る限りとてもとても、そのような人物ではないと思う。

「巨人こそ大被害を被った。大金を投じ年月をかけて愛情を注いだ選手。マイナス面になるかもしれません。せめてもの救いは、女を乗せての交通事故でなかった事だ」

 などといっています。
(皮肉なことに後年、湯口と同じ背番号19の上原浩次が「女を乗せての交通事故」を起こしてます。[業務上過失傷害罪で有罪])


 ジャイアンツという球団が持つおごりの体質が、ぼくには耐えられないものに感じられてならない。
 ぼくがジャイアンツのファンになることは、一生ないです。


【追記】

 藤見雅希「悪魔の野球」(ぶんか社)という本にも、
 いかにジャイアンツがずるくて、がめつくて、えらそうで、高圧的で、わがままで、偽善的で、と読売巨人軍に対してのことが書いてある。
 たとえば、デイゲームが巨人は年間に3試合しかないのに、広島23試合、横浜24試合もある。
 地方での試合が巨人は年間に8試合、横浜23試合、広島30試合。
 これではほかのチームがナイターとデイゲームのちがいや、地方に遠征する疲れで調子を狂わす一方、巨人はずっと空調のきいた東京ドームで、しかも決まった時間に試合をして、地方遠征といっても福岡ドームや夏場の涼しい札幌などラクな遠征であるのに対して、広島は盛岡から秋田、富山、福井、倉敷、松山、長野、相模原、佐賀、長崎と、あちこちを移動しまくっている。
 その移動距離をグラフや表にしてのせてあるのだが、それを見れば一目瞭然ジャイアンツがラクをして、自分たちの都合で球界を仕切って、ふんぞりかえっているかわかる。
 ジャイアンツが本当に球界の盟主であると自分自身を思っているのなら、ジャイアンツが地方のファンに野球を伝える役目を果たすべきではないか。
 しかし、巨人は儲けにつながらない地方遠征はしないのである。
 テレビ放送権料と、読売新聞の拡販につながることでなければ、彼らはなにもしない。

 といった日程的なことから、ジャイアンツの過去のモラルに欠けた歴史を振り返ったり、ナベツネの言動を見てみたり、巨人のあくどさについて書かれています。
 ぼくは前々から、巨人好きだという人が不思議でならないというか、なんであんな独善的な集団が横行しているのかと鼻息荒くしているのですが、またその思いを強くしたのでした。
 ジャイアンツのファンだという人は、物事を知らないか、事実を知らないか、道理を知らないか、あるいは何もしらないか。
 いずれにしても野球を知らないことは確かだろうと思う。





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最終更新日  2005/11/30 12:41:06 PM
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