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2008.04.02
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カテゴリ:いろいろ
あるサイトで、芥川賞作家の川上三映子さんのエッセイを読んだ。
ホテルが持つ一種独特な、「突き放した」ような雰囲気について書かれていた。
短文ながら、よくホテルの醸し出す雰囲気を表していた。

生活とは無縁の場所で、宿泊する者が織り成すドラマの誕生と終焉について、
何度も再生を繰り返す空間。
死んでいた空間が、ドアを開けた瞬間にライトアップされ宿泊者のメインステージとなる。
部屋に入った瞬間に感じられる違和感の一瞬前には、ホテルという存在の冷たさというか
空虚さが拡がっている。
人という主人公が存在して初めて、その空間が成り立ち、存在価値を発揮する。


全てにおいて己と違う存在があってこそ本来の力を発揮する。
観客が存在しなければ、役者も意味が無い。
観客も景色もない空間で一人で踊っても何も無いことに等しい。
巫女やシャーマンでさえ「神の存在」があってこそ。
逆に空間に対する恐れが、神を生んでしまったのかもしれない。

閑話休題。

モノ作りにおける原材料と道具、素材とその配合、そしてユーザーと商品。
私たちが作り出す製品やサービスも、使ってくれる人がいるから存在価値がある。
倉庫に眠っている製品を見たときにも、ホテルに存在する空室のような切なさを
感じられるようになったらしめたもの。
どう使おうか、使ってもらおうか、在庫を減らそうかと頭の中のベクトルが働きだす。
当たり前のように作業している手順についても、この作業の裏には何かがあることを感じ取り
何で必要なのか、不要な部分は無いのかと考えて、初めて改善が進む。

考えるきっかけを与えてくれたエッセイには感謝。
当たり前のことをそのまま受け止めないのが、作家たる所以。
視点を変えて別の立場から物事を見ろ。とは、発見の基本。

あなたの心の隅っこに開けたことのないドアが眠っていませんか?
思い切ってノックしてみよう。
裏には何があるのか、目で見えないところの存在意義を考えてみよう。

久しぶりの更新。IDとパスワードを3回間違えた。





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最終更新日  2008.04.02 17:19:39
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