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カテゴリ:ライトノベル
「原爆投下を正当化する理由はない」 これは私が若い頃東京で知り合い親しくなった友人が言ってくれた言葉です。 彼は日本語をかなり話せたし、ロックが好きで良く通っていたライブハウスで知り合い、たまたまアパートも近くお互いに行き来していました。 ある年の夏、しばらく来ないし、ライブハウスにも顔を見せないな、と思っていました。 彼の部屋の階下には主にカントリー、ブルースを流すお店があってそこで飲んでたら、コンコンと窓ガラスを叩く音がしてジョンデンバーを思わせるメガネをかけたジョン・〇・マッケナン(仮名)の顔が。 指で入って来るように招いたが顔を横に振る。 仕方なく大急ぎでビールを飲み干して二階へ行くとドアが開いたまま。 上がり込んで話をした。 浮かない顔をしていたので訳を聞くと、広島に行って来たと。 「アメリカ人は見たら方がいいと思って、だから原爆資料館に行って来た」と それだけで何だか嬉しかったのだが、しばし沈黙のあと 「あれを、原爆投下を正当化する理由はない、してはだめと思った。 リョウの家族、原爆犠牲者いない?・・・」と神妙な顔が痛々しいほどだった。 「いない」と言うと彼はため息をついた。 「でも、日本の人たちにごめんなさいと言います」 そう言ってくれた。 もっと嬉しくなった。 「ジョンちゃん、そう言ってくれただけで、そう言ってくれるだけで多くの日本人が笑顔になると思うよ」 そう言うと、彼は大粒の涙を流した。 (アメリカにもこういう人がいるんだ) 感動したことを今日思い出しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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