カテゴリ:考古学・日本古代史
≪ 縄文の形と祈り1 ~新潟県立歴史博物館の展示から~ ≫
旅行記なのに縄文時代の話が続いているが許してほしい。それほどこの博物館の展示物が素晴らしいのだ。今日は縄文時代の主な土器や石器などを紹介したい。不思議で独特の形をしたものが多いが、それらにはきっと縄文人の祈りが込められているように思う。 これらは全て火焔(かえん)土器または火焔式土器と呼ばれている。口縁部が炎が燃え立つように見えることからの命名で、考古学上の正式な名称は馬高式土器。これらの土器が作られたのは縄文中期(5500年~4500年前)の頃。 出土の範囲は富山県、新潟県、山形県、福島県の会津地方、群馬県、栃木県に限られている。形が変わっていることから宗教的な儀式に使用したとする考えもあるが、「焦げ」の痕があることから、実際に煮炊きに使われたようだ。縄文人の素晴らしい芸術的感覚に驚く。 環状土器 注口があるので何か飲物を入れたのだろうが、とても現代的な感覚だ。 土偶1 膝を抱えたこの姿勢は、まるで「考える人」のようだ。それとも女性で、出産の様子だろうか。 土偶2 顔がなくて脚があるように見える不思議な土偶は、まるでUFOに乗ってやって来た宇宙人みたい。 土偶3 この土偶にはメノウがはめ込まれている。きっと祈りの対象として、大事に扱われたのだろう。 岩偶 これは石に刻まれた女性だろうか。石製のため土偶でなく、岩偶(がんぐう)と呼ばれている。 仮面 これらは顔だけであり、目の部分が開けられているため、仮面と考えられる。鼻が曲がった仮面はどこかで観たことがあると思ったら、実物は東北大学で所蔵しているようだ。 石剣1 石剣2 これらは形状から石剣(せきけん)と呼ばれているが実際的ではなく、恐らくは宗教上の儀式で使用されたのだろう。いずれにしても縄文人が深い精神性と宗教性を持っていたことが分かる遺物だ。<続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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