カテゴリ:写真
≪ 秘密のプレゼント ≫
連絡橋1 「パパ、それなあに?」。起きて来た坊やが尋ねた。「これかい。これはこの間パパが走りながら撮った写真さ。形が面白いと思ってね」。「ふ~ん。パパはこんなのが面白いんだ」。「ああそうだよ。新しく橋が出来たのと、階段がマンションに向かっているようにも見える」。「でも少し曲がってるね」。「そうか、20km走ってパパも疲れてたんだね。きっと」。 連絡橋2 「ねえパパ。これはどこが面白いの?」。「ふふふ。橋が少しカーブしてるところさ」。「ボクには真直ぐに見えるけど?」。「ふふふ。今度はパパの勝ち」。 連絡橋3 「パパ。空が黒いね」。「それは橋の底だよ。その下に建物があるのが面白い」。「新しい町が出来るの?」。「ああ、ようやく発掘調査が終わった。文化財のね」。「ハックツチョウサにブンカザイ?」。「長かったよ。全部調べるのに20年近くかかったもんなあ」。 遊歩道1 「これ、不思議な形だねパパ」。「そうだろ。パパは雲形定規に見えてね」。「それってお仕事で使うの?」「いやパパは使わない」。「ふ~ん。何でも知ってるんだねパパって」。「そりゃあ大人だもの」。 遊歩道2 「これもクモガタジョウギ?」。「うん。それに色も変わってる。春になれば桜も咲くしな」。「そしたらママと赤ちゃんも退院するかなあ?」。そこでピクンと黒犬が身を起こした。どうやらママの帰りを待っていたようだ。「ああ、赤ちゃんの肺炎が治ればね」。 塔 「これなあにパパ。フォークみたいの?」。「ああそれね。パパも何だか分からないんだ」。「ふ~ん。大人も知らないことってあるんだね」。「ふふふ。それはあるさ。少しはね」。そこでマックスも笑った。マックスと言うのは坊やの家に住んでる黒犬の名前なんだ。 護岸1 「こっちはおろしがね」。「何なのそれって」。「ほら大根とかをゴリゴリするヤツさ」。「パパにはそう見えたんだ?」。「まあね」。 護岸2 「で、これがフリークライミング。岩登りの練習場だよ」。「でもパパ。それって川の岸辺だよね。ボク知ってるもの」。「わはは。ばれたか」。 駐車場 「これは赤い色がなんだか面白い。それに階段もね」。「そこ、ママと行った温泉だよ。赤ちゃんは行ってないけどね」。「そうか、ママと行ったことがあるんだねあの温泉へ。お前はお兄ちゃんだもんなあ」。今度はマックスも反応しなかった。きっとまだママは帰って来ないと分かったのだろう。 マンション 「ねえパパ。ボク達のアパート、どこが面白いの?」。そこでパパは少しあわてた。「それは記念写真だよ」。「なんの?」。むにゃむにゃ・・ パパは急に黙ってしまった。 工事現場 「そうそう、そろそろ宅急便が届くころだ」。突然パパが変なことを言い出した。「このグリーンのが届くのパパ?」。坊やはパパの顔を見上げながらそう尋ねた。「ああ、ママが帰って来る頃にな」。「赤ちゃんも一緒にパパ?」。「ああ。赤ちゃんも一緒にね」。「きっとだよパパ」。「ああ、きっとだ。パパは約束する」。「指きりげんまん。ウソついたらはり千本の~ます」♪ ワハハハ。その歌を聞いたお日様が笑った。「あれはパパの秘密のプレゼントだよ」。「秘密って?」。雲が尋ねた。「あれはパパが内緒で建てている家なんだ」。「そうか。それで春になったらみんなで新しい家に引っ越すのか」。「ああ、マックスも一緒にね」。そこで黒犬はピクッと耳を動かした。どこかで自分の名前を呼ばれたような気がしてね。 空が明るくなったのは、きっと春が近い証拠さ。黒犬はそう思いながらソファーの上で眠ったんだってさ。よだれを垂らしながらグッスリとね。これで今日のお話はお~しまい。じゃあまたね~!! ☆☆ ふう~っ。お話を書き終えて、すっかり疲れました。なぜって、今夜も夜中に大きな地震があったのですよ。きっと東日本大震災の余震ですね。これで3日連続です。それは良いとして、お話を書き終えて「絵文字」を入れようとしたら、あれ~っ、折角書いた文章が全部消えてしまったんですよ。それがご丁寧にも2回続いて。だからこれは3回目の文章。そんなわけで、今日はすっかりクタクタの爺さまです。ああ眠~い。もう今回は絵文字を使わないでおこう♪(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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