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マックス爺のエッセイ風日記

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2014.02.16
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テーマ:詩(904)
カテゴリ:
版画1.jpg



      旅へ


 ハイビスカスの花蔭から覗いた少年の眸が
 いきなり
 わたしのこころに飛び込んできた


 その時 眉根の奥底に
 一瞬の翳りを見た
 と思ったのだが
 案外君は うりずん南風の中で
 鈍色に光る波涛のざわめきを
 確かめようとしていただけかも知れない


 怖れ
 恥じらい
 後ずさり

 
 回帰の旅の初めに出会った沖縄の魂は
 華やぐ彩とはうらはらに
 傷つき易い琉球玻璃


 この緑したたる南の島で
 何時の日か喪失った父母を
 故郷を
 そして
 わたしの元素記号を
 果たして 探し当てることができるだろうか


 ユタとイタコ
 うりずんとオリジン
 濃い酒と血のぬくもり


 そんな舌先三寸の修辞学では
 サンマがグルクンを
 モミの樹がガジュマルを苛むような気もするが
 そのうちモミにも気根が生え
 支柱根にもなるだろう


 少年よ
 やがて大人になった時
 さあたああんだーぎいの ほのかな甘さとともに
 昔 清明祭のころ
 北からの旅人を一人 見かけたことを
 思い出してはくれないか

                   1989.4.8.



                                  第一詩集.jpg 

                                  第一詩集 『南島風景』


 沖縄に赴任してわずか8日目で、私はなんと25年ぶりに詩を書けたのです。それだけ強烈な印象を抱いたのでしょう。それに幾つかの衝撃も重なって生まれたのがこの詩です。ともかくこれが沖縄で最初の記念すべき作品でした。<続く>


星きらきら ソチオリンピック男子ジャンプラージヒルで、葛西選手が見事銀メダルを獲得しました。41歳での栄冠に、心からの拍手を送ります。ダブルハートバイバイ





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Last updated  2014.02.16 06:24:22
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